ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。現在は明治~1950年代をけんきゅうちゅう。

「God knows...」涼宮ハルヒ(C.V.平野綾)(平成18年)

流行時期(いつ流行った?)

 涼宮ハルヒ(C.V.平野綾)さんの「God knows...」は、平成18年(2006年)にヒットしました。

 

 オリコンランキングによると6月下旬に発売されたシングルCDは、長期間ランクインし続けるロングセラーを記録しています。

 

 TVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の劇中歌です。エンディングテーマ「ハレ晴レユカイ」と同じくアニメ放送が終了した後も売れ続けた珍しい作品です。当時の人気の高さを感じます。

 

 


God knows... ''The Melancholy of Haruhi Suzumiya'' 【涼宮ハルヒの憂鬱】Kadokawa公認MAD【ベース 演奏】

注)角川公認MADの動画

 

 

愛されたキャラクターの劇中歌

 「God knows...」は作中で特別な意味を持つ作品です。この曲が作中に登場する「ライブアライブ」の放送日は6月18日(TVアニメ 涼宮ハルヒの憂鬱 (2006)について 映画データベース - allcinema)。

 

 エンディングテーマ「ハレ晴レユカイ」が発売されたのは5月10日ですが、「ライブアライブ」の地上放送前にCD化が決定していたようです。

 

 CDの帯には下図のような予告広告が掲載されています。収録順序が異なっていますね。

 

 「恋のミクル伝説」がメインになっていますが、この時点で「God knows...」が本命と決まっていたと思います。

 

 

 「God knows...」がヒットするまで、"アニメから生まれるヒット曲"と言えば、オープニングテーマかエンディングテーマがほとんどでした。

 

 作品のなかの1話でしか披露されなかった劇中歌がエンディングテーマと同じくらい支持を集めた事は興味深いです。

 

 

 「旅の夜風」(1962年)の高石かつ枝さんように、ドラマの役名でヒットした作品は1980年代以降で何作か思いつきますが、その感覚と同じ理由で支持されたのだと思います。

 

 アニメキャラで成功したのは、涼宮ハルヒさんが初めてと思います。

 

 劇中歌というと『鬼滅の刃』「竈門炭治郎のうた」(2020年)や『アナと雪の女王』「ありのままで」(2014年)が思いつきます。作品の世界を広げてくれる作品です。

 

 

 視聴者が『涼宮ハルヒの憂鬱』に没入できたのは、ドラマとかアニメとか意識せずに楽しめる映像を実現した京都アニメーションさんの作画技術があったからこそとも感じます。

 

 

MAD動画は再生回数1億回超え

 他人の意見は聴かず独断で「これは楽しい!」と思う事を強要してきた主人公は、文化祭のバンドの代役も「面白そうだから」の気持ちだけで引き受けたと解釈しています。

 

 しかし実際にやってみると「自分も楽しかったし、見に来てくれた人たちを楽しませる事も出来た」と実感したと思います。主人公の成長を感じさせるエピソードで、この曲が愛され続ける理由のひとつと思います。

 

 上記動画は3年後の2009年11月に投稿された角川公認MADです。単に放送されたシーンを切り取ったのではなく、音楽に合うように動画を編集されています。

 

 当然著作権に関わる表現ですが、"作品愛を感じる動画を製作するファン心理"を尊重した角川さんは、この行動をファンによる二次創作として肯定的に受け止めたようです。

 

 MAD動画は、個人が動画編集を行いアップロードできるくらい技術が進歩した2000年代に生まれた現象です。

 

 アメリカでのフェアユースの考え方に近いでしょうか。角川さんは現在では当たり前のネット文化に早くから英断をされたと思います。

 

 後世の現代史の教科書に載ったりして・・・と考えたりしています。

 

 

曲情報

 品番:LACM-4268

 発売元:株式会社ランティス

 販売元:キングレコード株式会社

 発売日:2006.6.21

 

 『涼宮ハルヒの詰合~TVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」劇中歌集シングル~』

 

 Tr1

  「God knws...」

  作詞:畑亜貴

  作曲/編曲:神前暁

  歌:涼宮ハルヒ(C.V.平野綾)

 

 Tr2

  「Lost my music」

  作詞:畑亜貴

  作曲/編曲:神前暁

  歌:涼宮ハルヒ(C.V.平野綾)

 

 Tr3 

  「恋のミクル伝説」

  作詞:山本寛

  作曲/編曲:神前暁

  うた:朝比奈みくる(C.V.後藤邑子)

 

  朝比奈ミクルの冒険Episode 00

 

  Performed by 平野綾(Tr1, 2)、後藤邑子(Tr3)

 

  Producer & Director:斎藤滋(Lantis)

 

  Engineer:淺野浩伸、守屋勝美

  Studio:Studio Magic Garden,

                WARNER MUSIC RECORDING STUDIO

  Mastering:安藤義彦(青葉台スタジオ)

 

  Musician(Tr1, 2)

   Guitar:西川進

   Bass:種子田健

   Drum:小田原豊

 

  Musician coordinate:HOT WAVE

 

  Design:OverDriveDesign

 

  Illustration:池田晶子

  Paint / Haruhi side:津田幸恵

  Paint / Mikuru side:三浦理奈

  Background picture:田村せいき

 

  Promotion:松村起代子、木戸健介、鈴木めぐみ(Lantis)

  A&R desk:山崎彩、濱田邦子(Lantis)

 

  Thanks:SOS団、角川書店、京都アニメーション

 

  Supervisor:伊藤善之

  Exective producer:井上俊次(Lantis)

 

  Super producer:涼宮ハルヒ

 

 

参考資料

 『涼宮ハルヒの詰合~TVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」劇中歌集シングル~』CDジャケット

 「ハレ晴レユカイ」CDジャケット

 「you大樹」オリコン

 TVアニメ 涼宮ハルヒの憂鬱 (2006)について 映画データベース - allcinema