流行時期(いつ流行った?)
パット・ブーンさんの「スピーディー・ゴンザレス」は、昭和37年(1962年)にヒットしました。
『ミュージックマンスリー』の月間売上ランキングによると、下記の売上推移を記録しています。
年月 | 順位 |
昭和37年09月 | 11位 |
昭和37年10月 | 2位 |
昭和37年11月 | 4位 |
昭和37年12月 | 4位 |
昭和38年01月 | 15位 |
昭和38年02月 | 7位 |
参考)『ミュージックマンスリー』洋楽の月間売上ランキング
注)YouTube に使用を許可しているライセンス所持者 The Orchard Music, UMG(Pocket Watch Records の代理); ASCAP, LatinAutor - SonyATV, LatinAutor - Warner Chappell, UNIAO BRASILEIRA DE EDITORAS DE MUSICA - UBEM, SOLAR Music Rights Management, Audiam (Publishing), PEDL, LatinAutor, Sony ATV Publishing, CMRRA、その他 23 件の楽曲著作権管理団体
パット・ブーンさんの異色作
歌詞カードの解説に書かれていますが、パット・ブーンさんはバラードを歌われる方で、「スピーディー・ゴンザレス」のようなテンポの良い作品はあまり吹き込んでおられません。
日本では1957年に人気となった方で、久しぶりに大きなヒットを記録した作品で、新たな支持を集めたと思われます。
しかしこの作品は、パット・ブーンさんよりも、歌にも登場する"スピーディー・ゴンザレス"が主役の作品と感じます。
解説には書かれていませんが、ワーナー・ブラザーズが製作した短編アニメのキャラクター(下図)の名前です。
このシリーズのキャラクターと言えば、バックスバニーやダフィーダックが有名です。
他にも、シルベスターとトゥイーティーのコンビや、ロードランナーとコヨーテのコンビが有名で、このキャラクターはあまり作品で見かけた記憶がありません。
これらのキャラクターたちが、いつから日本で人気を獲得したのかもよく分かりませんが、1962年当時はあまり有名では無かったのかも知れません。
「スピーディー・ゴンザレス」は、伊藤アイ子さんが日本語でカバーしています。しかし、歌詞では"拳銃の早撃ちが自慢"と歌われています。実際は拳銃を持っておらず、おそらく西部劇に登場するガンマンをイメージした歌詞に書き換えたのだと思われます。
スピーディー・ゴンザレスは何をしゃべっている?
この作品がヒットした理由は、スピーディー・ゴンザレスの声が吹き込まれているからだと思います。
冒頭や間奏の♪ラララ~や間奏の直前で語られるセリフ等が印象に残ります。何気なく聴いていても、キャラクターの存在を知らなくても「ん?今の何?」と思ってしまいます。
地声なのかテープの早回しで作り出した音声なのかは分かりませんが、音が高くて早口が特徴です。
セリフの意味が気になりますが、歌詞カードには和訳が掲載されていません。調べてみましたが、口語の翻訳は難しいです。間違っていたらスミマセン。
最初のセリフは、
「ヘイ、ロジータ(解説によると"メキシコ娘"の名前)。私はダウンタウンに買い物に行きます。トルティーヤとチリペッパーが必要なんです。」といった内容で、
次は、
「ヘイ、ロジータ。早くカンティーナ(酒場)に降りて来て。テキーラを頼むとグリーンスタンプ(買い物時のポイント?)ももらえるんです。」といった内容です。
おそらく歌の世界とは無関係な事を話していると思います。
「月夜のメキシコを歩いていたら、ロジータが泣いている声が聞こえて来た」というセリフ、パット・ブーンさんの持ち味であるロマンチックな雰囲気で歌が始まります。
しかし、すぐにこのアニメのキャラクターが登場して、空気も読まずに場の雰囲気を壊して、はしゃいでいる様子を想像します。
楽曲分析
バンドプロデューサー5の分析では、「スピーディー・ゴンザレス」はBメジャー(ロ長調)です。
楽譜が無いため用いられている音階は分かりません。
解説には「ツイストのリズムで唄われます。」と書かれていますが、どこがツイストなのかはよく分かりません…(^^;A。
スピーディー・ゴンザレスが♪ラララと歌う部分は、つい、エルトン・ジョンさんの「クロコダイル・ロック」を連想してしまいます。
曲情報
1962年 年間 12位(洋楽)
レコード
発売元:日本ビクター株式会社
品番:JET-1134
パット・ブーンが歌う魅力のラテン調ニュー・ヒット!
A面
「スピーディー・ゴンザレス」
原題:SPEEDY GOZALES
演奏時間:2分30秒
B面
「愛のロケット」
原題:THE LOCKET
演奏時間:2分8秒
参考資料
「スピーディ・ゴンザレス」レコードジャケット
「さいはての慕情」伊藤アイ子盤 レコードジャケット
『ミュージックマンスリー』月刊ミュジック社
「バンドプロデューサー5」