流行時期(いつ流行った?)
星街すいせいさんの「ビビデバ」は令和6年(2024年)にヒットしました。
3月22日に配信が開始され、オリコンストリーミングによるとベストテン入りはしておりませんが4月中旬から7月上旬にかけて上位にランクインしています。
ロングセラー作品の流行り方と感じます。
星街すいせいさんはVtuberですが、2024年はVtuberのように動画コンテンツで活躍する方々の活躍が目立ちます。
コムドットさんやすとぷりさん、今までにないスタイルのアーティストの登場で今後も面白い作品が生まれる予感がします。
注)Suisei Channel 公式アーティストチャンネルの動画
現実とアニメーションが対等な関係?!
「ビビデバ」の面白さは楽曲だけでは語れないと感じます。
ミュージックビデオ(MV)が面白く、"楽曲+映像"の相乗効果で支持を集めた作品と感じます。
私はあまり詳しくありませんが【実写にアニメが登場する映像表現】はディズニーなどで昭和の頃から行われていたと思います。
面白い表現ですが、現実の人間が優位で「アニメのキャラクターを現実に登場させてあげている」という価値観だったかも知れません。
「ビビデバ」も冒頭では【3次元の人間が2次元のキャラクターより優位な立場】と思わせる描写があります。
しかし、それぞれに思う事があってリアルとアニメの登場人物が対等に感情を伝え合う展開が描かれます。
アニメキャラが自我を持つ、というのも昔から存在する手法と思います。
お互いに物を投げて感情をぶつけ合う描写に斬新さを感じます。
楽曲と映像も対等な関係
最初は【映像が主役】で、場を盛り上げるBGMとして「ビビデバ」が流れているという感覚になります。
しかし曲だけを聴いている時も、実は映像が楽曲の世界観を広げている事を理解できます。
楽曲+動画で表現力が高まっていると感じます。
映画やドラマのタイアップ作品で当たり前の手法ですが、「ビビデバ」を特別に感じてしまう理由はボカロ曲あるあるの【歌詞を画面に表示する映像表現】に慣れていたからかも知れません。
「ビビデバ」を作曲されたツミキさんは「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」(2022年)も作曲されていますが、この曲のMVも歌詞を画面に表示する手法です。
(感覚的に「廻廻奇譚」(2020年)や「正しくなれない」(2020年)、「ドライフラワー」(2021年)などが流行し始めた2020年秋冬ごろからMVで一般的に用いられ始めた印象です。)
視覚の物足りなさを【聴き手の心に刺さる歌詞】でカバーする形で確立された映像表現と思いますが、「ビビデバ」のMVはその壁を乗り越えたと感じさせてくれます。
日本発の世界的なヒット曲が生まれる日も近い
画像だけでなく映像処理も手軽にできつつある生成AI技術の進歩も早いため、今後のボカロ曲は映像表現も豊かになっていくのだろうという期待を感じます。
ボカロの音楽表現に世界の壁を超える可能性を感じていますが、数年前に比べてますます進化しているように感じます。
「上を向いて歩こう」(1961年)のように、世界各国のヒットチャートで1位を獲得する規模の日本発のバイラルヒットが再び誕生する日がますます近づいている気がします。