ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「Le Poussin Piou」 Pulcino Pio(2012年)

流行時期(いつ流行った?)

 Pulcino Pioさんの「Le Poussin Piou」は2012年にヒットしました。

 

 SNEP(2003年開始のフランスのヒットチャート)によると、11月末、12月初旬にかけてヒットしています。

 

 初登場が最高順位なのでそれほどヒットした印象はありません。

 

 


PULCINO PIO - Le Poussin Piou (Official video)

注)PULCINO PIO 公式アーティストチャンネルの動画

 

 

原曲はイタリア、各国で鳴き声が異なる作品

 「Le Poussin Piou」はフランス版で、原曲はイタリアの「El pulcino Pio」です。

 

 フランス語バージョンの鳴き声は下記になります。

 

 「日本ではコケコッコーなのにフランスではココリコなんだ」と思うと興味深いです。

 

<「Le Poussin Piou」の鳴き声>

No 動物等 鳴き声
1 ひよこ PIOU
2 めんどり COT COT
3 おんどり COCORICO
4 しちめんちょう GLOUGLOUGLOU
5 はと ROUCOULE
6 ねこ MIAOU
7 いぬ OUAF OUAF
8 やぎ BEE
9 ひつじ MEE
10 めうし MEUH
11 おうし MUU
12 トラクター BRUUM

 

 

 ヨーロッパを中心に「これは面白い!」と盛り上がったようで、様々な国でカバー・バージョンが製作されています。

 

 2012年10月に公開されたイタリア語のYouTube動画は再生回数が15億回です(2023年2月4日現在)。

 

 どこの国でも"子供向け音楽の爆発的な人気"は共通のようです。

 

 

<原曲:イタリア語の「El Polito Pio」>


PULCINO PIO - El Pollito Pio (Official video)

注)PULCINO PIO 公式アーティストチャンネルの動画

 

 

面白がる気持ちは「DA.YO.NE.」と同じ?

 【同じ曲なのに歌詞が異なるバージョンが複数発売される】という謎現象。とても興味深いです。

 

 1960年代に「北上夜曲」(1961年)や「お座敷小唄」(1964年)、「網走番外地」(1965年)といった【作曲者不詳の作品】がヒットした事があります。

 

 各レコード会社の専属作詞家が作詞した事で結果的に同じような現象が起きましたが、「Le Poussin Piou」 は1995年にヒットした「DA.YO.NE.」の流行に近いと感じます。

 

 

 「DA.YO.NE.」は歌唱力ではなく、リズム感を重視するラップ詞が魅力の作品です。

 

 歌唱で繰り返される「だよね」が関西では聴きなれないフレーズで、歌詞に都内や東京というフレーズが登場した事からか、なぜか関西弁に置き換えた「SO.YA.NA.」が発売されます。

 

 「SO.YA.NA.」が人気になった事で、東北弁、名古屋弁、博多弁バージョンなどが企画される流行現象が起きました。

 

 各国で用いる母国語によって動物の鳴き声が異なって認識されている事を面白がる心理は、日本人が方言を面白がる心理と似ていると思います。

 

 

まさかのアジア圏バージョンも存在する

 流行はヨーロッパ圏だけでおさまらず、アジア圏にも伝播しているようです。

 

 どれくらいヒットしたのか分かりませんが、中国語バージョンも制作されています。


PULCINO PIO - 小雞嗶嗶 (Xiao Gi Bi Bi) (Official video karaoke)

注)PULCINO PIO 公式アーティストチャンネルの動画

 

 

目が怖くて閲覧注意?の日本語バージョン

 ヒットした当時は日本語バージョンは製作されていなかったようですが、いつの間にか製作されています。

 

 なぜか日本語バージョンはキャラクターデザインが異なっています。

 

 ヒットしてからずいぶん経ってから製作されたからでしょうか。

 

 ・・・サムネのひよこは目が怖いですね。

 

 


Pulcino pio japanese version ひよこピピヨ

注)YouTube に使用を許可しているライセンス所持者 Leader Music(Leader Music の代理); PEDL, LatinAutor, UNIAO BRASILEIRA DE EDITORAS DE MUSICA - UBEM, LatinAutor - Warner Chappell, Sony ATV Publishing, BMG Rights Management (US), LLC, LatinAutorPerf, CMRRA, Warner Chappell、その他 11 件の楽曲著作権管理団体

 

 

 海外のセンスで描かれたキャラは日本人の感覚では可愛さを感じられません。

 

 なぜか目だけがリアルで、子供向けの歌なのに閲覧注意の恐怖感・・・コワイ(>_<)コワイ!

 

 動画のコメ欄には「歌ってるのは初音ミク?」みたいなコメントが書かれていますがボーカロイド音声では無いようです。

 

 

子ども向けの歌あるある

 曲のオチは、"ひよこがトラクターにひかれて終わる"という、やや残酷さを感じる描写です。

 

 原作者は永遠に続きそうだから強制終了させたかったのでしょうか。

 

 しかし、この程度のブラックな表現は子どもも許容できると思います。

 

 日本でも、

  "逃げのびたたいやきが食べられて終わる"「およげ!たいやきくん」(1976年)、

  "魚は子どもたちに食べられる事を待っている"と人間視点で歌う「おさかな天国」(2002年)

 に私は若干のブラックさを感じています。

 

 それに近い感覚かも知れません。

 

 

参考資料

 TOP50(http://www.chartsinfrance.net/