いつ流行った?
TOP50(フランスのオリコン的ヒットチャート)のランキングによると、Kaminiさんの「Marly-Gomont」は2006年11月中旬から2007年4月末にかけてベストテン入りしています。
最も流行った時期は、首位を獲得した2007年1月と思われます。
注)KaminiVEVO 確認済みの動画
地方都市に住む若者のエネルギー
Marly-Gomontはフランスの街の名前です。実際にKaminiさんが過ごされた街です。ミュージックビデオに登場する人たちは幼馴染かも知れませんね。
マルリー・ゴモンはパリから車で2時間半、200km離れた街です。映像を見る限り、のどかな街並みです。牛が映る場面が多いので主な産業は酪農でしょうか。
マルリー・ゴモンについての情報が少ないです。2014年に次のような話題がありました。(牛の出産で正GKが試合途中に帰宅で代役は61歳の会長! フランス下部リーグのマルリー=ゴモンが歴史的大敗【超ワールドサッカー】 (ultra-soccer.jp))
「Marly-Gomont」の歌詞には"95%が牛で、残り5%が人"と表現されています。おかげで、試合より牛の出産の方がはるかに大事という価値観は理解できます。
Kaminiさんは正確に育った街の価値観を理解されていると感じますが、面白おかしく地元をディスられています。住人の平均年齢が65才で若い人が3人しかいないと街を紹介しています。
極端な数字で表現されていますが、自分が育った環境は人口減少と少子高齢化が進んだ地方都市で理解をなかなか得られなかった事を訴えたいのだと思います。
若者が地元の事を面白おかしく表現する心理は、「もし自分がもっと人の多い都会で育っていたら・・・」という都会へのあこがれの裏返しと感じます。
はなわさんの「佐賀県」(2003年)に重なる部分があると思います。
どこの国の若者でも感じる事は同じ、ただ2000年代にフランスにもそういう若者がいて、地元を自虐的に表現する曲がヒットしていた事は興味深いです。
当時の日本とフランスは抱える問題が似ていたのでしょうか。
早すぎるラップ
私はこの頃から、インターネットとYoutubeのおかげでフランスのヒット曲を知る事ができました。
フランス語に興味を持ち始めましたが、リエゾンやアンシェヌマンの単語を結合して発音するルールがあります。
もし「Marly-Gomont」のラップ詞を聴きながら歌詞を目で追う事が出来れば、フランス語をマスターできる才能をお持ちだと思います。
私は無理でした。めっちゃ早いです。
ラップ詞でなくても、フランス人が日常会話で早口でしゃべるとこんな感じなんだろう、と考えると外国語が堪能な方ってすごいなぁ、と思います。
そして言語が違うと生まれる音楽も違う、世界は広い、と改めて感じさせてくれる作品です。
参考資料
「Marly-Gomont」CDジャケット