ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「ZOO ~愛をください~」蓮井朱夏(平成12年)

流行時期(いつ流行った?)

 蓮井朱夏(はすいしゅか)さんの「ZOO ~愛をください~」は、平成12年(2000年)にヒットしました。

 

 オリコンランキングによると9月初めに発売されたシングルCDは、9月中旬から10月中旬にかけてベストテン入りしています。

 

 ドラマ『愛をください』の挿入歌です。主演の菅野美穂さんがドラマの役名で歌唱されています。

 

 


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注)ライセンス SME, Sony Music Entertainment (Japan) Inc.(Sony Music Labels Inc. の代理); Muserk Rights Management、その他 2 件の楽曲著作権管理団体

 

 

"集団のなかの自分"、居場所を求める若者心理

 流行歌は主観で自分の想いが綴られる事が一般的です。

 

 "歌い手が伝えたい事を歌にするから当たり前"と、特に疑問に感じる事はありませんでしたが、この時期のヒット曲には"集団のなかの自分"という視点で描かれる歌詞が目立ちます。

 

 「ZOO ~愛をください~」もそのうちの1曲です。客観的な視点で主人公の心境を描いていると感じます。

 

 "自分の感情を素直に表現する"のではなく、"何かのグループに所属する自分が素直な気持ちを伝えられない心境"が主題になっていると感じます。

 

 この心境は80年代中頃から描かれ始めたと思いますが、90年代末に特に目立ち始めたと思います。

 

 友達ぶる関係に耐え切れず衝動的に抜け出す「Hate tell a lie」(1997年)や、言いたい事を言いだせない「AS TIME GOES BY」(1999年)、どこにも自分の居場所は無いと塞ぎこんでしまう「月光」(2000年)は、「ZOO」が伝えたい主題に通じると感じます。

 

 「ZOO」はECHOESさんが1989年に発表された作品です。当時の世のなかの空気には合わなかったようで、ヒットはしていません。

 

 

想いを込めて歌えば相手に伝わる

 『愛をください』の主題歌はECHOESさんの「ZOO」です。この年にヒットしています。

 

    同じ作品なのに、主演俳優が歌う挿入歌の「ZOO ~愛をください~」にも同じくらいの支持が集まった事は興味深いです。

 

 ひとつの理由は、"自らが主張したい事を歌詞にしていない事"と思います。傍観者の視点で歌われると、聴き手のストレスが軽減します。

 

 「ZOO」はECHOESさんの歌唱で充分作品の良さを理解できますが、失礼ながら表現力(歌唱力)が完全とは言い切れない蓮井朱夏さんの歌唱にも魅力を感じます。

 

 素直な気持ちで伝えようと頑張る気持ちが伝わって来るからです。

 

 

 歌の世界では人の心に残るための歌唱力やテクニックが存在するのは理解できますが、ヒット曲に限っては、歌い手が聴き手に伝えたい!と気持ちを込めて歌っているかどうか?が最も重要な要素なのだろうと感じます。

 

 

曲情報

 品番:AICT-1271

 発売日:00.9.7

 

 噂の覆面女性シンガー蓮井朱夏デビュー!熱いコールに応えて緊急発売。

 

 蓮井朱夏デビュー!フジテレビ系「愛をください」挿入歌

 

 track01

  「ZOO ~愛をください~」

 

 track02

  「ZOO ~愛をください~ instrumental version」

 

 track03

  「ZOO ~愛をください~ acoustic TV version」

 

 

  作詞/作曲:辻仁成

 

  produced by Jinsei Tsuji

 

 

参考資料

 「ZOO ~愛をください~」蓮井朱夏盤 CDジャケット

 「ZOO」ECHOES盤 CDジャケット

 「you大樹」オリコン