流行時期(いつ流行った?)
薫と友樹、たまにムック。さんの「マル・マル・モリ・モリ!」は、平成23年(2011年)にヒットしました。
オリコンランキングによると、5月末に発売されたCDは6月から9月中旬まで、3か月半もトップテン入りしています。
音楽配信サービスのレコチョクさんのランキングでも、人気ぶりがうかがえます。
<レコチョク・月間ランキング推移>
年月 | 順位 |
平成23年05月 | 1位 |
平成23年06月 | 2位 |
平成23年07月 | 4位 |
平成23年08月 | 12位 |
平成23年09月 | 25位 |
平成23年10月 | 40位 |
平成23年11月 | 72位 |
平成23年12月 | 53位 |
平成24年01月 | 54位 |
2010年代は楽曲をダウンロードする音楽配信が存在感を増し始めた時期です。CDより1ヶ月先行して配信されており、5月に初登場1位を獲得しています。
注)薫と友樹、たまにムック。 - トピックの動画
子どもの気持ちを描いた歌
「マル・マル・モリ・モリ!」は子どもが歌う作品です。そして歌詞が、歌い手の年齢に合わせた子どもたちの気持ちを描いている事が特徴です。
子どもが歌ったヒット曲には、「黒ネコのタンゴ」(1969)や「ちっちゃな恋人」(1971)、「シティ・コネクション」(1981)などが思い付きます。ちょっと背伸びをした、ませた男の子の心情が題材にされがちですね。
「マル・マル・モリ・モリ!」は、「山口さんちのツトム君」(1976)に似て、日常生活でよくあるような心情が描かれています。聴き手が想像しやすく、共感を覚えやすい歌詞です。
支持された”前向きな気持ち”
「マル・マル・モリ・モリ!」は、まるでNHK『みんなのうた』で企画される歌のように感じます。子どもたちが健やかに育つ様子を描いた歌詞、誰でも歌える口ずさみやすいメロディで製作されています。
東日本大震災が発生した2か月後の5月からヒットしていますが、おそらく曲の製作が始まったのは、発生する以前と思われます。
ドラマ『マルモのおきて』のエンディング曲で、初回放送は4月24日です。撮影がいつから始まったのか?は分かりませんが、ドラマのために書き下ろされた楽曲のため、撮影収録よりも前の企画段階で、曲が作られ始めていたと思います。
3月11日以降、大津波が街を襲った恐怖、原子力発電所が爆発した恐怖を感じました。無差別に襲いかかる自然の脅威を報道する数々のニュース映像の残酷さは、被災していない国・地域の人々の心にも傷を与えたと思います。
誰も経験した事がない巨大な災害が起きた後に、たまたま発売された「マル・マル・モリ・モリ!」は、多くの人たちの心に元気を与えたと考えています。
流行歌の書籍で、敗戦後にラジオから流れてきた「リンゴの唄」(1946)が多くの人々に支持された、という記述をよく見かけます。私は当時の世の中を知りませんが、「マル・マル・モリ・モリ!」も似た役割を果たしていたのではないか?と感じます。
大人たちが集まって力を合わせても、解決まで相当の時間がかかる出来事が起きた時。誰もが先も見えず、気持ちの整理も出来ない心理状態で聴こえて来た歌は、わずかでも聴き手の心をなぐさめる存在になっていたと思います。
様々な愛を描いた『マルモのおきて』
薫と友樹、たまにムック。は、ドラマの登場人物名です。
薫(かおる)は芦田愛菜さん、友樹(ともき)は鈴木福さん、ムックは飼犬の愛称です。
ムックは「忘れ物するなよ」や「よくできました」等の人間のセリフを話します。ドラマでは"言葉で人間と会話できる犬"という設定になっています。
『マルモのおきて』は親子や兄弟の家族愛だけでなく、友達や同僚、隣人が支えあう愛情も描いたドラマです。
犬が話すというファンタジーな部分がありますが、主題である、"相手の事を想う気持ちから生まれる、人と人を結びつける絆"を描くためであると理解できます。
曲情報
制作・発売・販売元:ユニバーサルミュージック合同株式会社
品番:UMCA-59001
フジテレビ系ドラマ ドラマチック・サンデー「マルモのおきて」主題歌
作詞・作曲・編曲:宮下浩司
1.「マル・マル・モリ・モリ!(フルサイズ)」
2.「マル・マル・モリ・モリ!(テレビサイズ)」
3.「マル・マル・モリ・モリ!~薫ちゃんと歌おう!(薫パート歌入りバージョン)」
4.「マル・マル・モリ・モリ!~友樹くんと歌おう!(友樹パート歌入りバージョン)」
5.「マル・マル・モリ・モリ!(フルサイズカラオケ)」
6.「マル・マル・モリ・モリ!(テレビサイズカラオケ)」
マル・マル・モリ・モリ!薫と友樹の写真振りつけ解説(テレビサイズ)
参考資料
「マル・マル・モリ・モリ!」初回限定版CDジャケット
「you大樹」オリコン
「レコチョク」Webサイト
「TVドラマデータベース」Webサイト