ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。戦前戦中をけんきゅうちゅう。

「自由」女子十二楽坊(平成15年)

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『Beautiful Energy』女子十二楽坊

流行時期(いつ流行った?)

 女子十二楽坊さんの『女子十二楽坊~Beautiful Energy~』は、平成15年(2003年)にヒットしました。

 

 オリコンアルバムランキングでは8月から11月にかけてベストテン入りしています。そして紅白効果で、翌年1月から2月中旬にかけて再びベストテン入りしています。

 

 当時テレビから頻繁に流れていたのは2曲目に収録されている「自由」です。女子十二楽坊さんの代表曲と感じます。

 

 


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注)女子十二楽坊 - トピックの動画

 

 

突然登場した中国の民族音楽

 日本では近隣国のリアルタイムのヒット曲が流行る事が稀です。歴史を振り返っても自然と文化が伝来する事があってもいいはずですのに…(>_<)。

 

 陸続きのヨーロッパでは国をまたいでヒットする曲があるようですが、やはり島国は特殊な地理条件なのでしょう。

 

 中国のヒット曲というと、「何日君再来」「夜来香」しか思いつきませんが、これも戦時中に日本が満州国を建国した時期に製作された作品だったから知られる事になったように思います。

 

 戦前も戦後も情報が少ないため、ロシアと言えばロシア民謡、中国と言えば民族楽器の二胡の響きくらいのイメージしか持てません。

 

 

 2000年代に入ってから、韓国だけは国家プロジェクトのようにK-POPを売り出されています。

 

 日本のみならず欧米の市場にも参入していますが、自然に流行する形ではないと感じています。

 

 「釜山港へ帰れ」「最初から今まで」のように、韓国の伝統を感じるような音楽で売り出していたならば、とても共感できる事ですが…(^^;A。

 

 

現代風にアレンジされた民族音楽

 日本では、何の前触れもなく中国の民族楽器で演奏する女子十二楽坊さんが登場しました。

 

 ギター、キーボード、ベースと現代音楽で用いる楽器も交える楽団の演奏は今聴いても新しさを感じます。

 

 歌詞カードの巻末に用いた楽器が記載されていますが、プログラミングというのはシンセサイザーの事でしょうか。キーボードの方が兼任されていますね。

 

 

 情報が少ないため、"日本人がイメージする今風の中国音楽"と一致する音楽表現だったと感じます。

 

 そのため、気持ち的に抵抗なく受け入れやすかったのだろうと感じます。

 

 

いやし系ではない?

 1999年に坂本龍一さんの「energy flow(『ウラBTTB』)」、2000年に『image(イマージュ)』『~the most relaxing~ feel』がヒットしました。

 

 これらのヒーリングミュージックは癒し系と命名され、しばらく人気となりました。女子十二楽坊さんが登場した2003年には、ブームが落ち着いていたと思います。

 

 聴いていて元気をもらえる演奏ですが、どちらかと言うと、"めったに耳にしないワールドミュージックだった事"が最大のヒットの要因であると感じます。

 

 

 不思議なのは、「日本にやって来た中国音楽は、後にも先にもこのグループのみ」という点です。(アジア出身の歌手が日本人作曲の作品を歌われる事はよくありますが…。)

 

 女子十二楽坊さんの日本でのヒットをきっかけにして、韓国のように自国の音楽を売り出す積極性があっても良いのにと思いますが、そのようなそぶりが感じられません。

 

 何か理由があっての事でしょうが、個人的にはとても謎に感じています…。「巨大な市場があるから、別に開拓する必要が無い。」という考え方でしょうか(?_?)。

 

 

曲情報

 発売元:プラティア・エンタテインメント株式会社

 販売元:キングレコード株式会社

 品番:PYCE-1001

 

  「自由」

  作曲:作者不詳

  編曲:梁剣峰

 

 

 『Beautiful Energy』2曲目収録

 

 帯の文章:もう、癒されるだけでは元気になれない。

 

 女子十二楽坊の意志により、この商品の売り上げの一部は、SARS問題解決のための研究費用に寄付されます。 

 

 

参考資料

 『Beautiful Energy』CDジャケット

 「you大樹」オリコン