ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「Oneway Generation」本田美奈子(昭和62年)

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流行時期(いつ流行った?)

 本田美奈子さんの「Oneway Generation」は、昭和62年(1987年)にヒットしました。

 

 オリコンランキングによると、発売同時に上位にランクインしています。2月中旬から3月中旬にかけてヒットしています。

 

 


本田美奈子. - Oneway Generation

注)MinakoHondaVEVO 確認済みの動画

 

 

 1980年代後期は、プロモーションビデオ(PV)と呼ぶのか、ミュージッククリップの製作が普及していたのですね(^^)/♪

 

 

路線変更後の人気曲

 「Oneway Generation」は、これまでの本田美奈子さんの表現されてきた音楽と主題が全く違います。若者の葛藤や希望が主題となっています。

 

 本田美奈子さんは、「Temptation(誘惑)」(1985)がヒットした事で人気を獲得されています。

 

 当時は女性アイドルのブームです。1985年下半期のヒットチャートは、おニャン子クラブさんも登場し、人気ぶりも目立ち始めます。

 

 この時期に人気を獲得した本田美奈子さんは、アイドルにしては歌唱力が突出しています。

 

 翌1986年には「1986年のマリリン」「Sossotte」がヒットします。楽曲製作をする方々にとっては「『Temptation(誘惑)』の路線で人気を獲得できる!」と思い込まれたようです。

 

 中森明菜さんを意識されていたのでしょうか、恋の駆け引きで揺れる少女の心を題材にした作品を歌われます。

 

 若者の葛藤や励ましを描いた「Oneway Generation」(1987)は、一連のヒット曲で築かれたイメージを一新する作品と感じます。

 

 

#筒美京平さんのスゴイ所④

 筒美京平さんは、歌手の歌声に合う楽曲製作に長けておられると感じます。

 

 デビュー曲から担当する事もありますが、なかなかヒットに恵まれず伸び悩んでいた方々の作品も数々ヒットに導かれています♪

 

 本田美奈子さんの作品は、デビュー曲から作曲を担当されていますが、1人の歌手に対し、方針を変えて新たな側面を見出した例はあまり思いあたりません。

 

 「Oneway Generation」はこれまでのイメージを感じさせない楽曲で、まるで「別人が作曲したのではないか?」と感じるくらいスゴイです…(^^;A。

 

 

 おそらく、作詞を担当された秋元康さんが「本田美奈子さんは声が力強く、聴き手に届く力を持っている。その歌声で、若者にエールを送るような作品を作ってみたい。」と筒美さんに相談された事がきっかけと思います。

 

 自らがデビューから手掛けてきた歌手で、イメージを一新する作品を製作する事は難しいと思います。

 

 筒美さんも「確かに、本田さんの歌手としての才能が埋もれてしまうのはもったいない。他のアイドルには表現できない楽曲を作ろう!」と感じられていたと思います。

 

 

 作曲に対する力の入れ具合は、Cメロと言える部分が存在する事で感じます。2番の終りに登場します。

 

 この時期からヒット曲のメロディには、1曲のなかで1度しか歌われないワンフレーズが登場し始めます。これをCメロと解釈していますが、平成以降のヒット曲では一般的になっている印象があります。

 

 個人的にこのテクニックは、昭和のヒット曲特有の"覚えやすさ"を損なう手法と感じるのですが、筒美さんはこれからの時代の音楽表現になる事を理解して取り入れられたのだろうと感じます。

 

 

曲情報

 発売元:東芝EMI株式会社

 品番:WTP-17928

 

 A面

  「Oneway Generation」

  作詩:秋元康

  作曲:筒美京平

  編曲:大谷和夫

  演奏時間:4分30秒

 

  TBS系TVドラマ「パパはニュースキャスター」主題歌

 

 

 B面

  「心のアラーム響かせて」

  作詩:秋元康

  作曲:筒美京平

  編曲:大谷和夫

  演奏時間:3分46秒

 

 

 

参考資料

 「Oneway Generation」レコードジャケット

 「you大樹」オリコン

 『オリコンチャート・ブック アーティスト編全シングル作品』オリコン