ヒット曲けんきゅうしつ

流行した音楽を探して、色々考えるブログ

「夜に駆ける」YOASOBI(令和2年)

流行時期(いつ流行った?)

  YOASOBIさんの「夜に駆ける」は、令和2年(2020年)にヒットしています。配信限定の楽曲で、2019年末に配信が開始されていたようです。

 

 月間ランキングを公表している、moraさんのランキング推移は下記の通りです。moraさんでは、2020年2月12日に配信が開始されたようです。

 

<mora~WALKMAN公式ミュージックストア~月間ランキング推移> 

年月 順位
2020年02月 圏外
2020年03月 圏外
2020年04月 31位
2020年05月 3位
2020年06月 1位
2020年07月 2位
2020年08月 1位
2020年09月 2位
2020年10月 4位
2020年11月 5位
2020年12月 3位
2021年01月 2位

 

 

きっかけはYouTubeのファーストテイク?

 「夜に駆ける」が人気を集め始めたのは、配信開始から3ヶ月後の2020年5月です。

 

 注目を集めるきっかけがあったのでしょうか?私は全く気づきませんでした…。

 

 改めて調べたところ、2020年5月15日にTHE FIRST TAKEというYouTubeチャンネルの、THE HOME TAKEという企画にYOASOBIさんが参加されています。

 


YOASOBI - 夜に駆ける / THE HOME TAKE

 

「THE HOME TAKE」は、アーティストの自宅やプライベートスタジオから、一発撮りで届けるYouTubeコンテンツ。 ""いま、こんなときだからこそ、音楽を届けたい。すべては、家の中からはじまる。

 

 新型コロナウイルスの蔓延により、緊急事態宣言が発出されていた時期の企画だったのでしょうか。

 

 "家にいながらでも外の世界とつながる事ができる"、インターネットやスマホといったデジタル技術が普及した時代ならではの企画と感じます♪

 

 原曲よりもゆっくりとしたテンポで、ボーカルの魅力が活きていますね♪

 

 

ロングヒットした流行歌

 コロナ禍の2020年に最も流行した作品です。

 

 7月は米津玄師さんの「感電」に1位を阻まれ、9月はYOSASOBIさんの新曲「群青」が1位となっていますが、長期間上位にランクインした記録が残っています。 

 

 


YOASOBI「夜に駆ける」 Official Music Video

注)Ayaseチャンネルの動画

 

 

 

世界に通用するかもしれない、日本発のボカロサウンド

 「夜に駆ける」は、"ボカロっぽさ"を感じるサウンドです。

 

 1960年代後期、エレキギターやフォークソングと、若い世代が、流行りの楽器or音楽表現を手にして、ヒット曲を生み出す傾向が生まれ始めます。

 

 その解釈を今に置き換えると、”ボカロ(ボーカロイド)”は、今の若い世代にとって"流行りの楽器"に当てはまると考えています。

 

 

 ボーカロイド(VOCALOID)は、歌唱(ボーカル)も再現できる合成音声技術を備えたDTMソフトウェアです。ヤマハさんが開発された、パソコンで作曲が出来るソフトです。

 

 存在が世間に広まったのは、マスコットキャラクターの初音ミクが登場した2007年以降と思われます。 

 

 黒うさPさんの「千本桜」(2013)が、音楽配信で人気を得る話題もありました。

 

 21世紀に入ってから、デジタル技術が大幅に飛躍しましたが、音楽の世界にも大きな影響を与えていると感じます。

 

 

 コンピュータを用いた音楽は日本人の得意分野と思っています。

 

 1970年代後半、YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)さんは海外で評価を受けてから、日本で人気を集めた、と見聞きした事があります。

 

 ボカロを楽器として音楽表現をされる方々のなかには、第2の坂本龍一さんと言えるアカデミー賞を受賞される方や、坂本九さんに続く全米1位を獲得できる方が、存在している予感がします。

 

 "ボカロ=日本固有の楽器"と考えると、今までの海外の模倣で作られて来た音楽とは質が異なるため、可能性を抱きます。

 

 特に、日本語の発音によるリズム感の鈍さを克服したような曲調は、「夜を駆ける」が世界に通用する可能性を感じさせてくれます♪

 

 

ボカロっぽさって何?

 「夜に駆ける」が、"ボカロっぽい"と感じる理由は何でしょうか?

 

 無機質な印象を思わせる要素がある?

 

 そのように表現すると、Purfumeさんやきゃりーぱみゅぱみゅさんをプロデュースされた中田ヤスタカさんの音楽を連想しますが、ちょっと違います。

 

音楽知識はありませんが、

 ①息継ぎが短く、ワンフレーズが細切れな事。

 ②テンポが早いのに、矢継ぎ早に詞を歌われる事。

 ③高い音に跳躍する部分が目立つ事。

 

…この辺りが"ボカロっぽい"と感じる理由でしょうか。

 

具体的には、

 ①冒頭はボーカルの"息を吸う音"が聴こえます。しかし、歌い始めてからはあまり気になりません。息継ぎが出来るような細切れのメロディになっているのでしょうか。

 

  紅白で生歌唱を聴いた時は息継ぎが気になりましたので、後でブレス音を消す加工が行われているのかも知れません。

 

 ②歌詞が多い事は、2000年代に流行した日本語ラップと共通する要素です。しかし"リズムに乗って歌っている"というよりも、"伴奏に付いていくように歌っている"印象があります。

 

 ③歌詞が多い部分は同音だったり、音階を順次なぞるようなメロディも多いですが、聴いた後に印象に残りやすい、急に高い音に跳躍する部分が多く感じます。1オクターブ上がる部分も多いです。

 

 今挙げたメロディラインは、ボカロ特有と感じます。洋楽も色々聴きますが、「夜に駆ける」は、聴いた事が無いメロディです。

 

 YOASOBIさんは、ボカロの特徴を工夫をして、面白い楽曲を製作されていると感じます。

 

 今まで存在しなかった斬新な音楽表現をされていると思います。

 

 

ミュージックビデオがアニメーション

 ミュージックビデオをアニメーションで製作すると決断したプロデューサーは、目の付け所が優れていると感じます。

 

 YOASOBIさんは「小説を音楽にするユニット」と、オフィシャルサイトで知りましたが、小説に登場する人物の心理をアニメで表現されているのでしょうか。

 

 

 海外の方々が関心を抱く日本文化は、アニメや漫画が主となっているようです。残念ながら音楽は見向きもされていない印象です(>_<)。

 

 その事を意識されたかどうかは分かりませんが、YouTubeに投稿されたアニメのミュージックビデオは、海外の方々にも関心を抱くきっかけになっていると感じます。

 

 小説に限らず、漫画やアニメも題材に取り入れて、主人公の内面を描いた作品を企画して下さると、海外からの注目も集めやすく、YOASOBIさんは、ますます活躍の場が広がりそう!と期待を膨らませています。

 

 きゃりーぱみゅぱみゅさんが忍者なら、YOASOBIさんは侍が主人公の作品で。などと妄想しています…(^^;A。

 

 

自然に流行る売れ方

 発売(配信)から数か月後にヒットした「夜に駆ける」は、後世に語り継がれる本物のヒット曲と感じます。

 

 発売後すぐに数十万枚を売り上げる曲も"ヒットしている"とは思います。しかし、すぐにランキング圏外に消えていくような作品では、誰もが知っている曲にはなりません。

 

 数十年後、そういった作品は、どれくらいの人たちの記憶に残っているのでしょうか。

 

 1980年代中頃から、初登場1位がセールスポイントとして優れているかのような空気が業界にはびこり始めます。今やそれが定着し、"流行歌"は死語になっています。

 

 「夜に駆ける」は、久しぶりに、自然に流行りはじめた流行歌です。こういう作品に出会えた事も、うれしく思っています。

 

 紅白も見ました!出場してくださってありがとうございました٩(ˊᗜˋ*)و!

 

 

曲情報

  「夜に駆ける」

  作曲者:Ayase

  演奏時間:4分21秒

 

 

参考資料

「YOASOBI オフィシャルサイト」

「音楽ダウンロード・音楽配信サイト mora ~WALKMAN®公式ミュージックストア~」