流行時期(いつ流行った?)
ガス・バッカスさんの「恋はスバヤク」は、昭和39年(1964年)にヒットしました。
月刊ミュジック社発刊の『ミュージック・マンスリー』に掲載されている「今月のベスト・セラーズ」によると、2月から6月にかけてヒットしています。
順位の推移から、最も流行したのは4月と考えられます。
年月 | 順位 |
昭和39年02月 | 6位 |
昭和39年03月 | 3位 |
昭和39年04月 | 2位 |
昭和39年05月 | 3位 |
昭和39年06月 | 9位 |
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ビートルズさんが登場した頃のヒット曲
ビートルズさんがヒットチャートに初めて登場したのは1964年2月です。「恋はスバヤク」が初登場したのも同じ月です。
売上枚数の記録が無い時代ですがランキングの推移で考えると、「恋はスバヤク」は、「プリーズ・プリーズ・ミー」や「抱きしめたい」よりも流行っていたような印象を受けます。
1960年代前半のアメリカン・ポップスの雰囲気を持つ「恋はスバヤク」が、ビートルズさんが登場したタイミングでも支持されていた事は興味深いです。
聴いた後に残る印象は、軽快なアメリカン・ポップスです。これまでに様々な作品がヒットしましたが、「可愛いいベイビー」(1962)や「ミスター・ベースマン」(1963)と同じ、オールディーズのカテゴリに属する作品と感じます。
なぜか記憶に残る歌
「恋はスバヤク」は、なぜか印象に残るタイプの作品です。自分から「もう一度聴きたいな!」と思う気持ちがそれほど湧きませんが、何かをしているときに不意に頭の中で再生されてしまう作品です。
作曲技巧で何らかのテクニックが用いられていると思いますが、残念ながら楽譜は見つかりませんでした。
楽譜は製作されていないかも知れません(>_<)。アメリカではヒットしなかった洋楽で、ドイツからやって来た作品のようで、意外と情報が少ないヒット曲です…(^^;A。
歌詞は英語で、日本人にも聴き取りやすい発音で歌われていると感じます。歌詞カードのガス・バッカスさんの経歴紹介では”ドイツ語で歌を歌い続けました。”と書かれています。
もしかすると作曲テクニック以前に、ガス・バッカスさんのドイツ語訛りの英語のイントネーションが、アメリカン・ポップスを聴き慣れた日本人に、「この曲、なんとなく気になるな~」という印象を与えているのでは?と考えたりします。
楽曲分析
バンドプロデューサー5の分析では、「恋はスバヤク」はEマイナー(ホ短調)です。途中から半音上がって、Fマイナー(ヘ短調)に転調しています。
楽譜が見つかりませんでしたので、用いられている音階は分かりません。耳に残るメロディなので、とても気になります。
短音階の作品ですが、聴いた印象では、長調の明るさを備えているように感じます。おそらくコード進行にも何か秘密があるのではないか?と考えています。
裏拍を用いて聴いていて軽快な印象を受ける作品です。転調してからは、たたみかけるように歌う箇所があったり、途中で笑ったりと、遊び心を感じる演出も印象に残ります。
曲情報
1964年 年間7位(洋楽)
レコード
発売元:日本グラモフォン株式会社
品番:DP-1329
A面
「恋はスバヤク」
原題:SHORT ON LOVE
演奏時間:2分21秒
B面
「恋のホールド・アップ」
原題:BIG WILLIE BROKE JAIL TONIGHT
演奏時間:1分59秒
参考資料
「恋はスバヤク」 レコードジャケット
『ミュージックマンスリー』月刊ミュジック社
「バンドプロデューサー5」