流行時期(いつ流行った?)
Natasha St-Pier(ナターシャ・サン=ピエール)さんの「Un ange frappe à ma porte」は2006年にヒットしました。
TOP50(フランスのオリコン的存在)によると、2006年1月から3月にかけてヒットしています。
この作品はTOP50のランキングで初登場6位となっています。その後、順位を上げて2位まで上り詰めています。
フランスのヒット曲ランキングは、昭和の頃のオリコンランキングのように、1つの曲が長期間上位にランクインするスタイルが保たれています。
初登場でトップテン入りしたナターシャさんは、当時、フランスでは既に人気を獲得していたアーティストと推測されます。
その頃、日本では…
年明けの紅白効果もあってか、前年にヒットした修二と彰さんの「青春アミーゴ」やレミオロメンさんの「粉雪」が上位に再浮上しています。
年末に発売されたEXILEさんの「ただ…逢いたくて」もヒットしています。
3月には、湘南乃風さんの「純恋歌」や、この年のレコード大賞に選ばれる氷川きよしさんの「一剣」がランキング上位に登場しています。
Natasha St Pier - Un ange frappe a ma porte (Clip officiel)
日本語が吹き込まれた作品
この作品の特徴は、“日本語が吹き込まれている事”です。イントロと同時に、また、間奏で述べられるセリフは日本語です。
しかし実際に聴いてみると、意味を成していない日本語です。
おそらく、出会いや別れの時の挨拶を脈絡もなく並べていると考えられますが、残念ながら発音も明確では無く、日本人には伝わらない日本語です。
私は何度聴いても、「オハヨースミマセ。コンニチハーサニトー。ジャアマタネサ。」としか聴こえません(+_+)。
「スミマセ」が「すみません」なのか「~ませ」なのかも分かりませんし、「サニトー」に関しては、日本語の挨拶の何に当てはまるのか全く見当が付きません。
フランス人が思い描いた日本のイメージ
この作品は、21世紀のフランス人が日本に対してどのようなイメージを抱いているかの一例として解釈する事も出来るため、興味深い作品です。
プロモ映像でも、おそらく日本をイメージした風景を表現していると思いますが、こちらからすると、明らかに中国と混同されている事が分かります。
日本庭園を意識した舞台のようですが、色彩が日本的ではありません。松や桜?も違和感を抱いてしまいます(^_^;A。
なにより、日本人のイメージとして登場している方が持っている楽器が何か分かりませんし、その方の化粧も全く日本らしさは感じられません(+o+)。
映像では、何一つ日本的な趣が感じられませんが、やはりアジアの国と言えば、西洋の方々にとっては中国の文化を連想してしまうのかな?と考えさせられます(>_<)。
日本は諸外国に国の個性が伝わっていないのかな?と思いますが、2010年代以降は、アニメ人気のおかげで、電線が張り巡らされた日本の街並みは海外の人達にも知れ渡っているようです。
何年か前に、それほどヒットしていませんがプロモで日本のアニメのような風景を再現した作品が登場していました。
楽曲分析
「バンドプロデューサー5」の分析では、「Un ange frappe à ma porte」はE♭マイナー(変ホ短調)です。
音階はヨナ抜き長音階の5音音階を短調にした26抜き短音階のようです。2の音が所々で用いられていますが、覚えやすいメロディの作品です。
参考資料
TOP50(http://www.chartsinfrance.net/)
「you大樹」オリコン
『LES TUBES DU TOP volume6』Carisch Musicom Publications
「Un ange frappe à ma porte」CDジャケット
「バンドプロデューサー5」