ヒット曲けんきゅうしつ

流行した音楽を探して、色々考えるブログ

「島唄」THE BOOM(平成5年)

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「島唄」THE BOOM

流行時期(いつ流行った?)

 THE BOOMさんの「島唄」は平成5年(1993年)にヒットしました。オリコンランキングによると、平成4年12月に発売された「島唄」は、半年以上経った平成5年7月に最も支持を集めています。

 

 「島唄」には2種類のシングルCDがあります。もう1つは6月に発売された「島唄(オリジナル・ヴァージョン)」です。当時はこちらの盤が支持を集めており、7月から9月中旬にかけてのロングセラーとなっています。

 


THE BOOM 島唄 PV 20周年記念 ver

 

同時期に流行った曲

 「島唄」、「島唄(オリジナル・ヴァージョン)」が流行っていた時期には、WANDSさんの「恋せよ乙女」サザンオールスターズさんの「エロティカ・セブン」松任谷由実さんの「真夏の夜の夢」等の作品が首位となっています。

 

 他には、classさんの「夏の日の1993」井上陽水さんの「Make-up Shadow」国武万理さんの「ポケベルが鳴らなくて」などもヒットしています。

 クレヨンしんちゃんのアニメ主題歌「オラはにんきもの」も人気となっています。

 

 昭和と異なり、同時期に流行った作品群で音楽の中身でのつながりが見つけにくいです。「夏だから夏をテーマにした作品が少し多いかな?」程度です。

 ただ共通するのは、挙げた作品は全てドラマ主題歌であったり、CMタイアップの曲であったりと、テレビから流れてくる音楽ばかりです。

 

2種類の盤の違い

 ほとんど同じに聴こえるのですが、歌詞に違いがあります。先に発売された「島唄」は、例えば『私の』を『わんくぬ』、『~よ』を『~ぐゎ』といったように沖縄の話し言葉で綴られています。

 一方オリジナル・ヴァージョンでは歌詞が標準語になっています。「ウージ・・・さとうきび」と注釈だけが書かれています。

 

 レコード会社がどうして標準語に歌い直したバージョンを企画したのかは不明です。「沖縄の話し言葉は伝わりにくいだろう」と考えての事であれば、少し残念な事と感じます。

 

 沖縄の文化圏のヒット曲は「島唄」が第1号ではありません。昭和38年には、奄美大島の方言を用いた「島育ち」が日本中で流行しました。

 

 奄美大島は九州よりも沖縄の方が地理的に近く、その話し言葉は沖縄寄りで当時の日本人にとってもなじみが少なかったのですが、標準語で歌い直してはいません。

 

若い世代に愛される沖縄民謡の響き

 流行歌には様々な地域の民謡が登場します。おそらく、最も人気が高いのは「佐渡おけさ(新潟県民謡)」です。

 「麦と兵隊」(昭和13年発売)や「チャンチキおけさ」(昭和32年発売)のように、故郷を遠く離れた場所にいる主人公が、ふと耳にする故郷の民謡として用いられています。

 郷愁を呼び起こす地元民謡の代名詞的な扱いで「佐渡おけさ」が用いられていると感じます。

 

 ほかにも「津軽じょんから節(青森県民謡)」、「木曽節(長野県民謡)」、「よさこい節(高知県民謡)」、「黒田節(福岡県民謡)」、「五木の子守唄(熊本県民謡)」、「鹿児島小原節(鹿児島県)」と、流行歌で用いられた民謡は数々ありますが、演歌系の作品のみでしか登場しません。

 若い世代の作ったヒット曲で、本州の民謡が登場した事は記憶にありません。

 

 三線の音色や地元の言葉で感じられる音楽も、民謡の響きを感じる点では同じはずですが、なぜか沖縄の民謡だけは若い世代からとても愛されていると感じます。

 

 1990年代には石嶺聡子さんの歌う「花」(平成7年)がヒットしましたが、2000年代以降にこの傾向が目立ち始めました。安室奈美恵さんやKiroroさんといった沖縄出身の人気歌手が活躍された事が影響しているのかも知れません。

 

 BEGINさんの「島人ぬ宝」(平成15年)や夏川りみさんの「涙そうそう」(平成15年)がヒットします。ORANGE RANGEさんの「上海ハニー」では、間奏に沖縄民謡で耳にする合いの手が加えられています。「ポップス作品なのに違和感なく融合しているなぁ。」と感じます。

 

 2010年代になると配信主流になってしまいますが、桐谷健太さんが浦島太郎名義で歌われた「海の声」(平成27年)がヒットしています。わざわざ説明する必要もないくらい沖縄の音楽が全国に知れ渡り、定着したと受け止める事が出来ます。

 

 

楽曲分析

 「バンドプロデューサー5」の分析では、「島唄」はどちらの盤もEメジャー(ホ長調)です。

 

 琉球音階がどのような音で構成されているかは勉強不足で分かりませんが、「島唄」は、歌い出しとサビのメロディーで、6つ目の音が全く使われていません。

 ドレミファソ・シの音階になっています。ヒット曲ではあまり見かけない音階なので、これが独特のメロディを支えている琉球音階なのかな?と思います。

 

曲情報

 発売元:ソニー・ミュージック・エンタテイメント

 品番:SRDL3590

 

 A面

  「島唄」

  作詞:宮沢和史

  作曲:宮沢和史

  編曲:THE BOOM

  演奏時間:5分5秒

 

 瑞穂酒造「クロッシー」イメージソング

 

 B面

  「ひゃくまんつぶの涙」

  作詞:宮沢和史

  作曲:宮沢和史

  編曲:THE BOOM

  演奏時間:3分17秒

  ※CD面には「100万つぶの涙」と記載されています。 

 

 Special Thanks to 喜納昌吉

 Thanks to B.PASS

 Cover Photo by MASANORI KATO

 

 

 

参考資料

 「島唄」CDジャケット

 「島唄(オリジナル・ヴァージョン)」CDジャケット

 『日本民謡選集』ドレミ楽譜出版社

 「You大樹」オリコン

 「バンドプロデューサー5」