ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「1.2.3.4.ギミー・サム・モア」D.D.サウンド(昭和53年)

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流行時期(いつ流行った?)

 D.D.サウンドさんの「1.2.3.4.ギミー・サム・モア」は、1970年代後半のディスコブーム期に登場しました。1970年代のディスコ・サウンドの作品です。

 

 ちょうど数々のディスコサウンドを用いた映画、『サタデー・ナイト・フィーバー』がヒットしていた1978年8月に最も流行しました。

 1978年の夏休みの時期、ディスコサウンドが最高潮となっていた時期です。

 

 


DD Sound - 1, 2, 3, 4, Gimme Some More 1978

 

 この作品は、オリコンランキングでは20位にも届いていないため、それほどヒットはしていません。しかし規模が小さいながらもロングセラーとなっていますので、もしかしたら、当時どこかで耳にされた事のある作品かも知れません。

 

聴いて楽しいディスコ・サウンド

 洋楽のシングル盤がランキングから姿を消し始めた1970年代の日本では、このディスコブームを機に様々な洋盤が登場しました。

 

 当時のレコード会社は、ディスコ調の作品なら何処からでも輸入したようです。中古レコード店で、この年代のディスコサウンドのシングル盤が、ソウルやファンクのジャンルにたくさん陳列されています。

 

 そのほとんどが、知らない曲ばかりです。それらのレコードは「きっと、当時のディスコで、BGMとして使われていたのだろう。」と思います。

 

 ディスコサウンドは、後年の評価がそれほど高くないと感じる音楽ジャンルです。どこかで見聞きした記憶では、次から次へと新譜を発売した、という意味で、他のジャンルに比べて消費が激しかったようです。

 

 従来は、レコード会社がターゲットにするのは個人です。個人が聴くためのレコードであるのに対し、ディスコサウンドは、みんなで踊るためのレコードという役割を担っているため、評価が難しいところがあると思います。

 

 数あるディスコ盤のなかで支持を集めた「1.2.3.4.ギミー・サム・モア」は、踊るためのBGM作品にとどまらず、「聴いていても心地良い曲だ」と感じさせる要素があったのだと思われます。

 

 

ヨーロッパ発のヒット曲

 歌詞は英語ですが、ヨーロッパの作品です。具体的な国名はジャケットの解説には記載されていませんが、やはりアメリカの音楽とはちょっと違う印象を受けます。

 

 聴こえてくる音の割合に違いがあるかも知れません。歌なので、ボーカルがメインのはずです。

 

 曲を聴いた後、脳内でメロディが再生される事がありますが、アメリカの作品が、ボーカルが6で、演奏が4くらいの割合で印象に残ると仮定したら、ヨーロッパの作品は演奏もボーカルと同等、5:5の関係になっているように感じます。

 

 ボーカルの歌うパートだけでなく、間奏や息継ぎの間の合いの手も印象に残ります。このような作品は、「歌手は何と言っているんだろう」とか、「歌詞を聞き取ろう」という姿勢で聴く気が起きません。

 

 それは、D.D.サウンドさんが奏でる演奏によるものだと考えられます。歌詞カードの解説によると、このグループのメンバーは16人で構成されているようです。

 

 様々な楽器を担当される方がおり、小規模ながらも電子楽器を用いる等して、オーケストラに近い音の多様さを備えた作品です。

 

 ボーカルが入っているものの、大人数で構成されたバンドが演奏した「1.2.3.4.ギミー・サム・モア」は、「ハッスル」(昭和50年)や「ソウル・ドラキュラ」(昭和51年)のようにディスコのイージーリスニングでも通用するサウンドを表現しているように感じます。

 

 

 「バンドプロデューサー5」の分析では、Aメジャー(イ長調)です。

 

 

曲情報

 発売元:日本フォノグラム株式会社

 品番:SFL-2290

 A面

  「1.2.3.4.ギミー・サム・モア」

  原題:1,2,3,4, GIMME SOME MORE

  演奏時間:3分31秒

 

 B面

  「ブギー・ベース」

  原題:BOOGIE BASS

  演奏時間:4分18秒

 

参考資料

 「1.2.3.4.ギミー・サム・モア」レコードジャケット

 『オリコンチャート・ブック アーティスト編全シングル作品』オリコン

 「バンドプロデューサー5」