ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「さらばハイセイコー」増沢末夫(昭和50年)

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 競馬界で人気を得た競走馬が、その世界を超えて、競馬をしない人たちにも幅広くその名が知れ渡る事があります。流行歌の世界では縁が薄い分野ですが、当時、アイドル的な存在だった競走馬をテーマにした「さらばハイセイコー」がヒットしました。

 

 歌われているのはハイセイコーの引退に際する騎手の感謝の気持ちです。歌っているのは実際にハイセイコーの騎手だった増沢末夫さんです。

 

 レコードジャケットには、ハイセイコーの血統や戦績が記載されています。B面には、弥生賞、皐月賞、菊花賞の実況録音とインタビューが吹き込まれており、このレコードは、本当にハイセイコーのためだけに企画された作品と感じます。

 

 競馬については詳しくありませんが、地方競馬では6戦6勝で、強い競走馬だと感じます。しかし、中央競馬の戦績は全戦全勝という訳でもなく、当時の熱狂的なブームを感じる事はできません。強いから人気だった、という訳ではなさそうです。

 

 ハイセイコーが中央競馬で活躍したのは、昭和48年3月4日の弥生賞~昭和49年12月15日の有馬記念です。

 

 どうやらこの作品のレコード化は、昭和49年11月ごろから始まっていたようで、最終戦の有馬記念の戦績が空欄になっています。あとで書き込めるようにスペースを空けており、ファンのための気遣いを感じます。

 

 “ハイセイコー引退記念盤”として、このレコードが発売されたのが昭和50年1月1日。引退式が1月5日に行われ、レコードは2月から3月にかけてヒットしました。

 

 現役中ではなく、引退をテーマに発売された曲がヒットしたという事は、惜しまれつつ去っていったのだろうと推測されます。

 そして、ハイセイコーとの別れを歌う歌が支持されたというのは、当時同じ気持ちを感じていた多くの人たちがいたと感じます。

 

 ハイセイコーが走る姿や報道される姿に、勝ち負けではなく、心の奥で感じていた何らかの想いを重ねていたのか、最後まで愛された競走馬だったのだと感じます。

 

 

曲情報

 発売元:ポリドール株式会社

 品番:DR-1908

 A面

  「さらばハイセイコー」

  演奏時間:3分33秒

 

 B面

  「実況録音●弥生賞●皐月賞●菊花賞/他」

  録音時間:6分15秒

 

 ハイセイコー引退記念盤

 

参考資料

 「さらばハイセイコー」レコードジャケット

 『オリコンチャート・ブック アーティスト編全シングル作品』オリコン

 「you大樹」オリコン