ヒット曲けんきゅうしつ

流行した音楽を探して、色々考えるブログ

「ポーカー・フェイス」レディー・ガガ(平成21年)

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流行時期(いつ流行った?)

 レディー・ガガさんの「ポーカー・フェイス」は、平成21年(2009年)にヒットしました。

 

 オリコンアルバムランキングでは、「ポーカー・フェイス」が収録された『ザ・フェイム』が、2009年6月にヒットしています。

 

 発売と同時に上位にランクインしているため、海外での人気ぶりがすでに日本にも伝わっていたのだろうと推測されます。

 

 音楽配信はCD発売に先駆けて始まっていましたが、10万ダウンロードを達成したのは翌2010年です。

 

 

<「ポーカー・フェイス」配信認定の推移>

 

着うたフル®

(2009/03/11配信開始)

PC配信(シングル)

(2009/05/20配信開始)

2010年02月 10万ダウンロード達成  
・・・    
2010年05月   10万ダウンロード達成
・・・    
2010年11月 25万ダウンロード達成  
・・・    
2011年02月   25万ダウンロード達成

 

 1年後に10万ダウンロード認定されています。「バッド・ロマンス」「テレフォン」が収録された『ザ・モンスター』(2010)のヒットで、より多くの人に知られる事になったのだろう、と思われます。

 

 


Lady Gaga - Poker Face (Official Music Video)

注)Lady Gaga 公式アーティストチャンネルの動画

 

 

世界中でヒット

  「ポーカー・フェイス」は世界各国でヒットしています。

最高順位 週数 国名
1位 13週 ドイツ
1位 12週 オーストリア
1位 11週 フィンランド
1位 10週 ニュージーランド
1位 9週 ベルギー
1位 9週 カナダ
1位 8週 オーストラリア
1位 8週 オランダ
1位 8週 スイス
1位 5週 ノルウェー
1位 5週 アメリカ(エア・プレイ)
1位 4週 フランス
1位 4週 ブルガリア
1位 4週 スウェーデン
1位 3週 アイルランド
1位 3週 イギリス
1位 2週 イタリア
1位 1週 デンマーク
1位 1週 アメリカ(シングル)
2位 1週 スペイン
2位 1週 ポルトガル

 

 アフリカや南米、中東、アジアでのランキングは不明ですが、欧米ではすべての国で支持を得ているように感じる記録です。

 

 

 …やはりアメリカで人気になってから、世界中でヒットしたのだろうと思っていましたが違いました。

 

 最初にチャートインしたのはカナダ、続いてオーストラリアとニュージーランド、そして北欧のスウェーデン、フィンランド、ノルウェーで人気を獲得しています。

 

 今挙げた国々は、アメリカよりも先行してCDが発売されたようです。デビュー曲「Just Dance」(2008)を支持した国を優先されたのでしょうか?

 

 発売日の差は、少し不思議に感じます。

 

 

インパクト抜群の低音サウンド

 海外のアーティストにはガガという響きは珍しく覚えやすいです。一度耳にするとなかなか忘れられず、現在でも日本での知名度はかなり高いアーティストと思います。

 

 「ポーカー・フェイス」のサウンドも同じくらい、記憶に残る印象を備えていると感じます。

 

 2000年代後半の洋楽はハウスミュージックが主流と感じますが、レディー・ガガさんもこの音楽表現を意識しているように感じます。

 

 ただ、ハウスは聴こえてくるシンセサイザーの音色が高音で、音量も大きめなので、聴き手には意見の分かれる音楽表現だったと思います。

 

 「ポーカー・フェイス」では、そのシンセサイザーの伴奏を音色を低くされている印象があります。それだけでなく、ボーカルやコーラスも低い音域で表現されていると感じます。

 

 伴奏が高音になると曲のテンポも速めになりがち、と感じていますが、低音にする事で、曲調をゆっくりさせる事ができます。

 

 「ポーカー・フェイス」はスローで、聴き手に重苦しく鈍い響きを感じさせるサウンドと思います。

 

 当時、意外と存在しない音楽表現だったと感じます。 

 

 

なぜか感じる1980年代の雰囲気

 ボーカルの音声を加工したり、シンプルなフレーズを何度も繰り返す事で、無機質な響きを聴き手に与える事を狙っていると感じます。

 

 生の歌声はサビだけでしょうか、ロボットのような部分と人間的な部分が使い分けられています。

 

 できるだけ聴き手にドライな印象を与えるように考慮した、緻密な編曲になっていると感じます。

 

 

 しかし、「ポーカー・フェイス」は、コンピュータの編集技術や最新の音楽表現を取り入れていると思いますが、「今までに聴いた事が無い!」というくらいの斬新さを感じる事はありません。

 

 うまく説明できませんが、なぜか1980年代の雰囲気が漂っているように感じてしまいます…(^^;A。

 

 それも、マイケルジャクソンさんやマドンナさんといった一時代を築かれた大物アーティストを連想します。

 

 それだけ完成度が高い、もしくは肩を並べるくらいの個性を備えている、という事でしょうか…。また、80年代のサウンドに大きな影響を持つシンセサイザーの響きがそう感じさせるのでしょうか?

 

 私は未だによく分かっていません…(>_<)。

 

 今後、どのような音楽が流行るのか分かりませんが、レディー・ガガさんも大御所アーティストと同じくらいの活躍をされる事を期待しています♪

 

 

参考資料

 「Poker Face」CDジャケット

 「you大樹」オリコン

 「一般社団法人 日本レコード協会 有料音楽配信認定」

 TOP50(http://www.chartsinfrance.net/

「ソウル・ドラキュラ」ホット・ブラッド(昭和51年)

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流行時期(いつ流行った?)

 ホット・ブラッドさんの「ソウル・ドラキュラ」は、昭和51年(1976年)にヒットしました。

 

 オリコンランキングでは、昭和51年の7月中旬から8月末にかけてベストテンにランクインしています。

 

 当時人気だったディスコサウンドの作品ですが、シングル盤では最も人気を集めた作品ではないか?と感じます。

 

 


Hot Blood - Soul Dracula • TopPop

注)TopPop 確認済みの動画

 

 

 …まさか、プロモーション・ビデオが存在していたとは(^^;A。

 

 

正体不明のディスコサウンド

 1970年代の洋楽ディスコ・ブームは、研究しがいのある現象です。普段と違う流行り方です。

 

 "どこの国の作品か分からない洋楽が、日本で支持を集めた事"が象徴的で、「ソウル・ドラキュラ」はこの典型です。

 

 この曲は、Disques Carrereというフランスのレーベルから発売されています。しかし、フランスでヒットした記録は残っていません。

 

 『CASH BOX』誌のINTERNATIONALチャートには、1977年発売号でオランダやブラジルでトップテン入りした記録が残っています。(ブラジルではHot Bloodさんではなく、Draculaと記載されています。)

 

 日本は比較的早い時期に「ソウル・ドラキュラ」を輸入し、巷のディスコを通じて多くの人の耳に届ける事ができたのだろう、と想像します。

 

 「日本の洋楽レーベルが、積極的にディスコのヒット曲をかき集め、商品化していた」と解釈できそうです。

 

 実際にヒットしたシングル盤は十数枚ほどです。

 

 中古レコード店には大量の70’sディスコシングル盤がワンコーナーを占めている事もあり、「短期間に大量消費され続けた音楽」という負の性質も帯びています…(>_<)。

 

 昨今のCD売上ヒットチャートにも通じる流行り方と感じます。

 

 レコードジャケットのデザインが、インパクトのあるダサさを備えており、ジャケ買いを狙わせる要素もあったのかな?と想像します。

 

 

70’sディスコで目立つコラボレーション

 「ソウル・ドラキュラ」は"ディスコ+吸血鬼"のコラボをしていますが、ディスコサウンドは、多様なジャンル、キャラクターとミックスできる音楽表現が特徴です。

 

 現在のように、ハロウィンが浸透していない時代なので、単純に「斬新で面白い!」という事で支持されたのだろうと思います。

 

 イージーリスニングやコーラス、フォークやロック、ハワイアン、R&B等が流行した事がありますが、ソウルから発展したディスコサウンドは、そういったあらゆるジャンルの音楽を取り入れてディスコ化した作品が製作されました。

 

 ジャズに近い音楽表現かも知れません。

 

 海外作品では、リック・ディーズさんの「ディスコ・ダック」(1976)、ミーコさんの「スター・ウォーズのテーマ」(1977)、ポパイの主題曲や、フラメンコを取り入れた「悲しき願い」(1978)など、有名なアニメーションキャラや民族音楽を取り入れた作品も製作されています。

 

 日本では「ソウルこれっきりですか」(1976、77)というコーラスのメドレー曲がランキングに登場しています。

 

 流行ったとは言い切れませんが、エボニー・ウェップさんの「ディスコお富さん」や三橋美智也さんが「達者でナ」等をディスコ調にアレンジした作品を発表されています。

 

 …昭和歌謡まで巻き込んだ70’sディスコ・ブーム、個性的な作品ばかりで、当時の過熱ぶりはスゴすごかったんだろうと思います(^^;A。

 

 

曲情報

 発売元:テイチクレコード

 品番:MA-18-V

 

 A面

  「ソウル・ドラキュラ」

  原題:SOUL DRACULA

  (L.Melwing - M.Ambruster - P.Duc)

  演奏時間:3分52秒

 

 B面

  「ソウル・ドラキュラ~インストゥルメンタル」

  原題:SANS DRACULA

  (M.Ambruster - P.Duc)

  演奏時間:2分55秒

 

  Prod. by Hot Blood Production License Disques Carrere

 

  Illustration = I.SANSUI

  Design = H.MASUYAMA

 

  ●ウヘェー!あの吸血ドラキュラがディスコに出現!!全米のディスコを征覇した君の血も凍る戦慄の衝撃作!!

 

 

参考資料

 「ソウル・ドラキュラ」レコードジャケット

 『CASH BOX』海外誌

「ヴァイヤ・コン・ディオス」レス・ポールとメリー・フォード(昭和28年、昭和29年)

流行時期(いつ流行った?)

 レス・ポールとメリー・フォードさんの「ヴァイヤ・コン・ディオス」は、昭和28年(1953年)11月から翌年3月にかけてヒットしました。

 

 現在では"ヤ"ではなく"ア"の、「ヴァイア・コン・ディオス」が一般的な表記となっているようです。

 

 スペイン語のカナ表記です。英題をGoogle翻訳すると、「神があなたと共にありますように」という意味になります。

 

 『ダンスと音楽』の月間ランキングの推移は下記の通りです。

年月 順位
昭和28年11月 2位
昭和28年12月 1位
昭和29年01月 1位
昭和29年02月 1位
昭和29年03月 4位
昭和29年04月 7位
昭和29年05月 12位

 

 

 戦後8年の昭和28年…。流行歌の情報も少なく、当時の世の中の空気感が分かりません(^^;A。

 

 昭和28年はテレビ放送が始まった年です。街角に街頭テレビが設置され、国産の洗濯機冷蔵庫も発売されたようですが、こちらも普及はまだまだだったようです。

 

 「ヴァイヤ・コン・ディオス」はラジオ放送からヒットした作品と推測されます。

 

 


Vaya Con Dios (May God Be with You)

注)レス・ポール - トピックの動画

 

 

忘れられたヒット曲?

 「ヴァイヤ・コン・ディオス」は意識して聴いていなくても、なぜか後々で気になってくる作品です。

 

 流行歌の特性を備えていると感じます。

 

 『ダンスと音楽』のランキング推移では初登場2位と、前評判が高かった作品と感じます。

 

 今の価値観で考えると、何かの番組とタイアップがあったのかな?と想像してしまいます。

 

 当時のレコード業界の市場規模が不明のため、素直にランキング結果を受け止められませんが、3か月間首位となっているため、人気を集めていた事は間違いなさそうです。

 

 ただ現在では、タイトルでネット検索しても、ヒットする記事の件数がかなり少ないです。

 

 歳月が経ちすぎて、忘れられてしまった作品になっている?と感じます。

 

 

「テネシー・ワルツ」には勝てなかった?

 この作品は3拍子です。

 

 3拍子というと、前年にヒットしたパティ・ペイジさんやジョー・スタッフォードさんが吹き込んだ「テネシー・ワルツ」(1952)が思い浮かびます。

 

 「テネシー・ワルツ」のヒットをきっかけに、洋楽ではワルツ(3拍子)の作品がブームとなっています。

 

 残念ながら「ヴァイヤ・コン・ディオス」は、多くの方々にとって"当時のワルツブームのなかの1曲"という認識で、記憶の片隅に残っている作品かもしれません。

 

 

なぜ印象に残る?

 音域が狭く、音程を変えて同じフレーズを繰り返す動きが、聴き手の耳に残りやすい(覚えやすい)理由と感じます。

 

 サビも気になります。音階を順に下っていくフレーズは、「恋はみずいろ」(1968)でも用いられており、おそらく作曲法の1つと思います。

 

 「ヴァイヤ・コン・ディオス」の場合も、3拍子のリズムから少しズレるような動きになっています。

 

 音楽というとテクニックが重要なのかな?と考えてしまいますが、楽譜を見るとシンプルです。

 

 こういった作品で独特な雰囲気を演出できる方は本当にスゴいと感じます。

 

 

 「ヴァイヤ・コン・ディオス」は当時、江利チエミさんが日本語カバー盤を発売されています。

 

 後年に発売された「ネヴァー・オン・サンデー」(1961年)のB面にも収録されており、もしかすると、お気に入りだったのかも知れません(^^)♪

 

 

曲情報

 発売元:キャピトル・レコード

 品番:Z-202

 

 A面

  「ジョニー」

  原題:Johnny(Is The Boy For Me)

  Marcel Spellman - Patty Roberts

  LES PAUL and MARY FPRD

 

 B面

  「ヴァイヤ・コン・ディオス」

  原題:VAYA CON DIOS(May God Be With You)

  Russell - James - Pepper

  Vocal by Mary Ford

  LES PAUL and MARY FORD

 

 

参考資料

 『SPレコード60,000曲総目録』昭和館 アテネ書房

 『現代風俗史年表』河出書房新社

 「オークフリー」Webサイト

 『Vaya Con Dios』ぷりんと楽譜

音楽配信で人気のヒット曲(70年代・80年代編)

今も人気、1961年~1989年に発表された作品

 日本レコード協会(RIAJ)さんのサイトに、音楽配信サービスの累計ダウンロード数が公表されています。

 リアルタイムでヒットした頃の情報が無いため、調べてみました。~1989年に発表された作品のなかで、音楽配信での人気が根強い作品です(2020年6月現在)。

 

発売年 曲名 歌手名 認定 認定までの月数 カテゴリ
1961 上を向いて歩こう 坂本九 10万DL(ゴールド) 56ヶ月 シングルトラック
1961 スタンド・バイ・ミー ベン・E・キング 10万DL(ゴールド) 84ヶ月 着うたフル(R)
1967 デイドリーム・ビリーバー モンキーズ 10万DL(ゴールド) 110ヶ月 シングルトラック
1969 帰ってほしいの ジャクソン5 10万DL(ゴールド) 114ヶ月 シングルトラック
1970 ABC ジャクソン5 10万DL(ゴールド) 126ヶ月 シングルトラック
1971 ハッピー、クリスマス(戦争は終った) ジョン・レノン 10万DL(ゴールド) 146ヶ月 シングルトラック
1972 トップ・オブ・ザ・ワールド カーペンターズ 10万DL(ゴールド) 12ヶ月 着うたフル(R)
1973 ひこうき雲 荒井由実 25万DL(プラチナ) 3ヶ月 PC配信(シングル)
1974 やさしさに包まれたなら 荒井由実 25万DL(プラチナ) 167ヶ月 シングルトラック
1975 ボヘミアン・ラプソディ クイーン 10万DL(ゴールド) 100ヶ月 シングルトラック
1976 青春の輝き カーペンターズ 10万DL(ゴールド) 101ヶ月 シングルトラック
1977 ダンシング・クイーン アバ 10万DL(ゴールド) 43ヶ月 着うたフル(R)
1977 ダンシング・クイーン アバ 10万DL(ゴールド) 90ヶ月 PC配信(シングル)
1977 ウィ・ウィル・ロック・ユー クイーン 10万DL(ゴールド) 97ヶ月 シングルトラック
1977 大空と大地の中で 松山千春 10万DL(ゴールド) 45ヶ月 着うたフル(R)
1977 秋桜 山口百恵 10万DL(ゴールド) 90ヶ月 シングルトラック
1978 宇宙のファンタジー アース・ウインド&ファイアー 10万DL(ゴールド) 28ヶ月 着うたフル(R)
1978 かもめが翔んだ日 渡辺真知子 10万DL(ゴールド) 172ヶ月 シングルトラック
1978 いい日旅立ち 山口百恵 10万DL(ゴールド) 100ヶ月 シングルトラック
1978 セプテンバー アース・ウインド&ファイアー 10万DL(ゴールド) 101ヶ月 着うたフル(R)
1979 愛を止めないで オフコース 10万DL(ゴールド) 124ヶ月 シングルトラック
1979 オネスティ ビリー・ジョエル 10万DL(ゴールド) 34ヶ月 着うたフル(R)
1979 ラヴィン・ユー・ベイビー KISS 10万DL(ゴールド) 133ヶ月 シングルトラック
1979 ジンギスカン ジンギスカン 10万DL(ゴールド) 95ヶ月 シングルトラック
1979 異邦人 久保田早紀 25万DL(プラチナ) 154ヶ月 シングルトラック
1979 ラジオ・スターの悲劇 バグルス 10万DL(ゴールド) 120ヶ月 シングルトラック
1980 雨あがりの夜空に RCサクセション 10万DL(ゴールド) 130ヶ月 シングルトラック
1980 松山千春 10万DL(ゴールド) 106ヶ月 シングルトラック
1980 ライディーン YMO 10万DL(ゴールド) 83ヶ月 シングルトラック
1980 ダンシング・シスター ノーランズ 10万DL(ゴールド) 111ヶ月 シングルトラック
1980 さよならの向う側 山口百恵 10万DL(ゴールド) 63ヶ月 シングルトラック
1980 ローズ ベット・ミドラー 10万DL(ゴールド) 101ヶ月 シングルトラック
1981 ルビーの指環 寺尾聰 10万DL(ゴールド) 86ヶ月 シングルトラック
1981 オープン・アームズ ジャーニー 10万DL(ゴールド) 70ヶ月 着うたフル(R)
1982 赤いスイートピー 松田聖子 10万DL(ゴールド) 67ヶ月 着うたフル(R)
1982 言葉にできない オフコース 25万DL(プラチナ) 113ヶ月 シングルトラック
1982 言葉にできない 小田和正 10万DL(ゴールド) 7ヶ月 着うたフル(R)
1982 言葉にできない 小田和正 50万DL(プラチナ) 74ヶ月 シングルトラック
1982 アイ・オブ・ザ・タイガー サバイバー 10万DL(ゴールド) 70ヶ月 シングルトラック
1982 素直になれなくて シカゴ 10万DL(ゴールド) 72ヶ月 シングルトラック
1982 Ya Ya(あの時代を忘れない) サザンオールスターズ 10万DL(ゴールド) 110ヶ月 シングルトラック
1982 for you・・・ 高橋真梨子 10万DL(ゴールド) 180ヶ月 シングルトラック
1982 君の瞳に恋してる ボーイズ・タウン・ギャング 25万DL(プラチナ) 174ヶ月 シングルトラック
1982 兄弟船 鳥羽一郎 10万DL(ゴールド) 50ヶ月 着うたフル(R)
1982 ラヴ・イズ・オーヴァー 欧陽菲菲 10万DL(ゴールド) 24ヶ月 着うたフル(R)
1983 初恋 村下孝蔵 25万DL(プラチナ) 95ヶ月 シングルトラック
1983 ビリー・ジーン マイケル・ジャクソン 10万DL(ゴールド) 60ヶ月 着うたフル(R)
1983 め組のひと ラッツ&スター 10万DL(ゴールド) 40ヶ月 シングルトラック
1983 今夜はビート・イット マイケル・ジャクソン 25万DL(プラチナ) 109ヶ月 シングルトラック
1983 Merry Christmas Mr. Lawrence 坂本龍一 10万DL(ゴールド) 117ヶ月 シングルトラック
1983 SWEET MEMORIES 松田聖子 10万DL(ゴールド) 143ヶ月 シングルトラック
1983 15の夜 尾崎豊 10万DL(ゴールド) 29ヶ月 着うたフル(R)
1984 星空のディスタンス THE ALFEE 10万DL(ゴールド) 144ヶ月 シングルトラック
1984 ジャンプ ヴァン・ヘイレン 10万DL(ゴールド) 79ヶ月 シングルトラック
1984 ハイ・スクールはダンステリア シンディ・ローパー 10万DL(ゴールド) 184ヶ月 シングルトラック
1984 スリラー マイケル・ジャクソン 25万DL(プラチナ) 60ヶ月 着うたフル(R)
1984 タイム・アフター・タイム シンディ・ローパー 10万DL(ゴールド) 119ヶ月 シングルトラック
1984 桃色吐息 髙橋真梨子 10万DL(ゴールド) 145ヶ月 シングルトラック
1984 ミス・ブランニュー・デイ サザンオールスターズ 10万DL(ゴールド) 139ヶ月 シングルトラック
1984 愛をとりもどせ!! クリスタルキング 10万DL(ゴールド) 29ヶ月 着うたフル(R)
1984 ヒーロー 麻倉未稀 10万DL(ゴールド) 63ヶ月 シングルトラック
1984 ジュリアに傷心 チェッカーズ 10万DL(ゴールド) 169ヶ月 シングルトラック
1985 愛人 テレサ・テン 10万DL(ゴールド) 100ヶ月 シングルトラック
1985 恋におちて-Fall in love- 小林明子 10万DL(ゴールド) 76ヶ月 シングルトラック
1985 タッチ 岩崎良美 10万DL(ゴールド) 29ヶ月 着うたフル(R)
1985 シェリー 尾崎豊 10万DL(ゴールド) 56ヶ月 シングルトラック
1985 ボーン・トゥ・ラヴ・ユー クイーン 10万DL(ゴールド) 36ヶ月 着うたフル(R)
1985 テイク・オン・ミー a-ha 10万DL(ゴールド) 127ヶ月 シングルトラック
1985 水の星へ愛をこめて 森口博子 10万DL(ゴールド) 61ヶ月 シングルトラック
1985 フレンズ レベッカ 25万DL(プラチナ) 79ヶ月 シングルトラック
1985 ダンシング・ヒーロー(Eat You Up) 荻野目洋子 10万DL(ゴールド) 49ヶ月 シングルトラック
1985 Forget-me-not 尾崎豊 10万DL(ゴールド) 56ヶ月 シングルトラック
1985 もうひとつの土曜日 浜田省吾 10万DL(ゴールド) 45ヶ月 着うたフル(R)
1986 My Revolution 渡辺美里 10万DL(ゴールド) 41ヶ月 着うたフル(R)
1986 時の流れに身をまかせ テレサ・テン 25万DL(プラチナ) 158ヶ月 シングルトラック
1986 シーズン・イン・ザ・サン チューブ 10万DL(ゴールド) 127ヶ月 シングルトラック
1986 ザ・ファイナル・カウントダウン ヨーロッパ 10万DL(ゴールド) 172ヶ月 シングルトラック
1986 リヴィン・オン・ア・プレイヤー ボン・ジョヴィ 25万DL(プラチナ) 143ヶ月 シングルトラック
1986 Missing 久保田利伸 75万DL(トリプル・プラチナ) 106ヶ月 シングルトラック
1986 B・BLUE BOΦWY 10万DL(ゴールド) 87ヶ月 着うたフル(R)
1986 デンジャー・ゾーン ケニー・ロギンス 25万DL(プラチナ) 137ヶ月 シングルトラック
1986 木枯しに抱かれて 小泉今日子 25万DL(プラチナ) 145ヶ月 シングルトラック
1986 クリスマス・イブ 山下達郎 10万DL(ゴールド) 85ヶ月 シングルトラック
1987 夢をあきらめないで 岡村孝子 10万DL(ゴールド) 170ヶ月 シングルトラック
1987 TOUGH BOY トム・キャット 10万DL(ゴールド) 25ヶ月 着うたフル(R)
1987 ONLY YOU BOΦWY 10万DL(ゴールド) 123ヶ月 シングルトラック
1987 Get Wild TM NETWORK 50万DL(ダブル・プラチナ) 151ヶ月 シングルトラック
1987 別れの予感 テレサ・テン 10万DL(ゴールド) 18ヶ月 シングルトラック
1987 Marionette -マリオネット- BOΦWY 25万DL(プラチナ) 172ヶ月 シングルトラック
1987 スムーズ・クリミナル マイケル・ジャクソン 10万DL(ゴールド) 63ヶ月 着うたフル(R)
1987 バッド マイケル・ジャクソン 10万DL(ゴールド) 56ヶ月 着うたフル(R)
1987 Maybe Blue ユニコーン 10万DL(ゴールド) 95ヶ月 シングルトラック
1988 Runner 爆風スランプ 10万DL(ゴールド) 46ヶ月 着うたフル(R)
1988 元気を出して 竹内まりや 10万DL(ゴールド) 63ヶ月 シングルトラック
1988 STILL LOVE HER (失われた風景) TM NETWORK 10万DL(ゴールド) 161ヶ月 シングルトラック
1989 目を閉じておいでよ バービーボーイズ 10万DL(ゴールド) 128ヶ月 シングルトラック
1989 DIAMONDS(ダイアモンド) プリンセス・プリンセス 25万DL(プラチナ) 142ヶ月 シングルトラック
1989 M プリンセス・プリンセス 75万DL(トリプル・プラチナ) 117ヶ月 シングルトラック
1989 紅 (シングルヴァージョン) X JAPAN 25万DL(プラチナ) 92ヶ月 シングルトラック
1989 世界でいちばん熱い夏 プリンセス・プリンセス 10万DL(ゴールド) 66ヶ月 着うたフル(R)
1989 BE MY BABY COMPLEX 10万DL(ゴールド) 129ヶ月 シングルトラック
1989 未来予想図Ⅱ DREAMS COME TRUE 25万DL(ゴールド) 58ヶ月 シングルトラック

※リンク先は、曲について調べた記事に移動します。

 

 

 「発売年」は、シングル盤発売日を優先しています。シングル未発売の場合は、アルバム発売日。洋楽では、日本で発売された記録が見つからない作品があります。その場合は、海外でヒットした年を採用しています。

 

 

 オリコンとは異なり、わずかな数字でも集計が行われているようです。そのため、10万ダウンロードに至るまで10年(120か月)以上の時間が掛かった作品も珍しくありません。

 今後の発表で、ダウンロード数が増えたり、他にも作品が増える可能性があります。

 

  カテゴリ=「着うた(R)」は、フルコーラスの音源では無いようなので、省いています。

 アバさんの「ダンシング・クイーン」は、着うたフル(R)とPC配信(シングル)で、別々に集計されています。

 

 

日本レコード協会さんの認定基準

 10万ダウンロード達成すれば"ゴールド認定"と、海外でみかける評価基準が採用されています。

 

<日本レコード協会のダウンロード認定基準>

基準名 最低累計ダウンロード数
ゴールド 10万DL
プラチナ 25万DL
ダブル・プラチナ 50万DL
トリプル・プラチナ 75万DL
ミリオン 100万DL
2ミリオン 200万DL
3ミリオン 300万DL
4ミリオン 400万DL

※500万DLを達成した作品は、今のところ存在しないようです。

 

 具体的な数字は分かりませんが、音楽配信の資料は他に見当たらず、とても参考になるデータです。

 

 NHKのど自慢では、Kiroroさんの「未来へ」(1998)や秦基博さんの「ひまわりの約束」(2013)など、"よく歌われる人気の曲"がありますが、音楽配信での人気とリンクしているように感じます。

 

 

主な参考資料

 「一般社団法人 日本レコード協会 有料音楽配信認定」

 『オリコンチャート・ブック アーティスト編全シングル作品』オリコン

「君の瞳に恋してる」ボーイズ・タウン・ギャング(昭和57年、昭和58年)

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流行時期(いつ流行った?)

 ボーイズ・タウン・ギャングさんの「君の瞳に恋してる(キャント・テイク・マイ・アイズ・オフ・ユー)」は、昭和57年(1982年)11月に発売されました。

 

 当時のオリコンランキングによると、1982年末~1983年初めにヒットしています。ただ、最高順位は20位に達しておらず、「すごく流行った!」という感じではなかったと思われます。

 

 今となっては、「誰でもどこかで一度は耳にした事があるのではないか?」と思われるくらい、時代をこえて親しまれるスタンダードナンバーに成長した作品と感じます。

 

 

 


Boys Town Gang - Can't take my eyes off you

注)YouTube に使用を許可しているライセンス所持者 AltraModaMusic(High Fashion Music の代理); EMI Music Publishing, SOLAR Music Rights Management, CMRRA, Audiam (Publishing), BMI - Broadcast Music Inc., LatinAutor、その他 16 件の楽曲著作権管理団体の動画

 

 

 

 レコードジャケットの解説で触れられていますが、この作品はボーイズ・タウン・ギャングさんの作品ではなく、1967年にフランキー・ヴァリさんが歌った作品です。

 

 フランキー・ヴァリさんは、日本では「シェリー」(1963)で有名なフォー・シーズンズさんのリードボーカルですが、「君の瞳に恋してる」は1967年当時の日本ではヒットしていません。レコードも発売されていなかったように思われます…(^^;A。

 

 日本ではディスコサウンドにアレンジされたボーイズ・タウン・ギャングさんの盤で初めて多くの人の耳に届いた作品ですが、海外でもこのカバー盤がオリジナルと言って良いくらい浸透しているように思われます。

 

 

 

累計の音楽ダウンロード数が示す人気ぶり

 日本レコード協会の有料音楽配信認定によると、「君の瞳に恋してる」は、2020年1月時点で25万ダウンロードを達成しています。

 

 配信が開始されたのが2005年7月なので、おそよ15年かけて25万ダウンロード(プラチナ)を達成した事になります。

 10万ダウンロード(ゴールド)は、2011年2月に達成されています。

 

 配信された音楽は、発売から何年経ってもダウンロード数が集計され続けるようです。

 "約15年で累計25万DLを達成"というのは興味深いデータです。単純計算すると、1か月≒1400DL、1週間≒320DLです。

 

 オリコンの集計方法では0になるところも、音楽配信では明確に集計されるため、今までつかみ切れなかったスタンダードナンバーの安定した人気ぶりを確認できます。

 

 

TikTok発のカヴァー曲も話題

 2020年に「君の瞳に恋してる」をカヴァーしたSurf Mesaさんの「ily (i love you baby) ft. Emilee」が話題となりました。

 

 2019年11月にEmileeさんがTiKTokに投稿した30秒ほどの歌唱(リンク先:TikTokのEmileeさんの投稿動画)をSurf Mesaさんが視聴した事で、楽曲がプロデュースされる流れに至ったようです。

 

 今のところ、それほどヒットしていませんが、この作品は海外でも、若い世代に親しまれているのかな?と感じます。

 

 


Surf Mesa - ily (i love you baby) (feat. Emilee) (Visualizer)

注)YouTube に使用を許可しているライセンス所持者 UMG(Astralwerks (US1A) の代理); EMI Music Publishing, Audiam (Publishing), LatinAutor, BMI - Broadcast Music Inc.の動画

 

 

楽曲分析

 「バンドプロデューサー5」の分析では、「君の瞳に恋してる」はB♭(変ロ長調)です。 途中でD♭(変ニ長調)に転調している部分があります。

 

 メロディには所々に半音記号が用いられていますが、ドレミファソラシドの全音階的長音階のようです。

 

 EmileeさんやSurf Mesaさんがアレンジされたように「君の瞳に恋してる」は、高音で始まるサビが印象に残る作品です。

 

 ボーイズ・タウン・ギャング盤では、その最も盛り上がる部分に至るまで、別のメロディが2回繰り返されます。この部分は音がだんだん下がっていくような進行で、気分はそれほど高揚しません。

 

 長いイントロやサビ直前のもったいぶった間奏も面白いですが、曲が始まってから「早くサビの所を聴きたいなぁ~」という気持ちを、じらすように編曲しているように感じます…(^^;A。

 

 

謎のレコードジャケット

 「君の瞳に恋してる」は可愛らしい作品と感じるのですが、なぜかレコードジャケットには車を修理している、体格の良いお兄さん達の写真になっています…。

 特にそのうち一人はこちらを睨みつけており、見る度に「楽曲と関係無しのデザインで、おっかないジャケットだなぁ。」と感じています。

 

 

曲情報

 発売元:ビクター音楽産業株式会社

 品番:VIPX-1675

 

 A面

  「君の瞳に恋してる」

  英題:CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU

  演奏時間:3分45秒 

 

 B面

  「カム・アンド・ゲット・ユア・ラブ」

  英題:COME AND GET YOUR LOVE

  演奏時間:4分9秒

 

  Produced by Bill Motley

 

 

参考資料

 「君の瞳に恋してる(キャント・テイク・マイ・アイズ・オフ・ユー)」レコードジャケット

 「バンドプロデューサー5」

 『永遠のポップス2』全音楽譜出版社

 「一般社団法人 日本レコード協会 有料音楽配信認定」

「恋のマイアヒ」オゾン(平成17年)

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流行時期(いつ流行った?)

 O-ZONE(オゾン)さんの「恋のマイアヒ(原題:Dragostea Din Tei)」は、平成17年(2005年)にヒットしました。

 

 洋楽がシングル盤でヒットする事が無い時代です。この曲が収録された『DiscO-ZONE』は2004年12月に発売されましたが、半年以上経った翌2005年8月にオリコンの週間アルバムランキングのトップテン入りをしています。

 

 10月中旬までトップテン入りしておりますが、8月下旬に首位を獲得していますので、「恋のマイアヒ」が最も流行ったのは2005年8月になりそうです。

 

 「恋のマイアヒ」はインターネット上で話題となりヒットした作品ですが、同時にインターネットを通じた音楽配信サービスが普及した時期にもなります。

 

 残念ながら音楽配信の黎明期であるこの時期は明確な記録が残っておりません。日本レコード協会さんの有料音楽配信認定によると、2006年8月時点で400万ダウンロードされていたようです。

 

 CDに比べて敷居が低い数値ですが、400万ダウンロードを達成しているのは、GReeeeNさんの「キセキ」(2007)だけです。

 

 直近で大ヒットした作品、米津玄師さんの「Lemon」(2018)は、2019年9月時点で300万ダウンロードとなっています。

 ・・・おそらく月額定額制で聴き放題のストリーミングサービスも登場している事が影響しているのかも知れません(>_<)。

 

 これからヒット曲はどうなっていくのでしょうか。

 

 

 


のまのまイェイ

注1)YouTube に使用を許可しているライセンス所持者 Cat Music, Believe Music(Time Records の代理); LatinAutor - SonyATV, CMRRA, LatinAutor, UNIAO BRASILEIRA DE EDITORAS DE MUSICA - UBEM, EMI Music Publishing, ARESA、その他 14 件の楽曲著作権管理団体

注2)動画には「簒奪」という難解な単語が登場しますが、「さんだつ」と読みます。

 

 

 日本人がほとんど耳にする機会のない、ルーマニア語で歌われた作品が、「まるで日本語で歌っているように聞こえるよ!」という事で、空耳ソングとして話題になった作品です。

 たしかに”飲ま飲まイェイ”という解釈は、秀逸な空耳と感じます…(^^;A。

 

 空耳という奇妙なきっかけですが、単なる話題で収束せずに楽曲がヒットした事は興味深い事です。

 空耳ソングとして楽しんだ方もおられると思いますが、おそらく作品の良さが理解されて多くの人がダウンロードをした、と考える方が自然に感じます。

 

 自然に流行した作品では珍しい事ではありませんが、この作品の正式な曲名がよく分かりません。CDには「ドラゴステア・ディン・テイ~恋のマイアヒ~」、当時の『月刊歌謡曲』には「恋のマイアヒ(ねこねこ空耳 恋ver.)」と記載されていたりします。

 

 

ヨーロッパでは"ちゃんとした大ヒット曲"

 CDの帯には、『ヨーロッパで400万枚もCDが売れたんやって!スゲェー!』という、何故か関西弁のセールス文句が印字されていますが、実際に、2004年のヨーロッパで大ヒットしています。

 

<Acharts.coの「Dragostea Din Tei」チャート成績>

週数 最高順位
フランス 15週間 1位
ドイツ 14週間 1位
スイス 14週間 1位
オーストリア 13週間 1位
ノルウェー 9週間 1位
オランダ 9週間 1位
アイルランド 1週間 1位
デンマーク 1週間 1位
ベルギー 6週間 2位
フィンランド 2週間 2位
スウェーデン 3週間 3位
イギリス 1週間 3位

 

 アメリカでは人気とならなかったのも興味深いです。

 

  タイトルの「Dragostea Din Tei」は、「リンデンバウム(菩提樹)の愛」となるようです。

 

 

 


O-Zone - Dragostea Din Tei [Official Video]

注)Time Records 確認済みの動画

 

 

 冒頭の音楽は、この曲の次に発売した曲「Despre tine」(2004)が用いられています。もしかすると、このPVは曲がヒットした後に製作されたものかも知れません。

 

 PVを見ると、インターネットの普及に限らず、コンピュータグラフィック(CG)の技術も、この時期に発展していたように感じます。

 2000年代中頃から、IT技術が日常生活に浸透し始めていた事も感じます。

 

 

インターネットの可能性

 2005年はYouTubeが設立された年で、存在が知られていなかったと思います。上記の空耳動画も、当時どのサイトで掲載されていたのかはよく分かりません。

 

 地理的に離れた国同士でも、情報が共有できるインターネットはすっかり定着しました。

 

 ネギ回しのFlash動画(ロイツマ・ガール)がヨーロッパで人気になったり(2007年)、ジャスティン・ビーバーさんがピコ太郎さんの動画を楽しんだり(2016年)と、日本発の動画が海外で話題を集めた事があります。

 

 今のところ、風変わりな作品で小規模な話題に終わっていると感じますが、いずれ「上を向いて歩こう」(1961年)のように、日本発の世界的なヒット曲が誕生するのではないか?と期待しています。

 

 

楽曲分析

 「バンドプロデューサー5」の分析では、「恋のマイアヒ」はC(ハ長調)です。

 

 用いられている音階は、ドレミファソラシドの全音階的長音階です。もっとも印象に残る"飲ま飲まイェイ"を2回繰り返す箇所は、2小節だけですがヨナ抜き長音階になっています。

 

 

曲情報

  「恋のマイアヒ」

  発売・販売元:エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ株式会社

  原題:Dragostea Din Tei

 

  これが噂のマイアヒ~マイアフ~

  飲ま飲ま、イエイ!

 

 

参考資料

 『DiscO-ZONE』CDジャケット

 『月刊歌謡曲2005年12月号』ブティック社

 「you大樹」オリコン

 「一般社団法人 日本レコード協会 有料音楽配信認定」

「Señorita」Shawn Mendes, Camila Cabello(2019年)

流行時期(いつ流行った?)

 Shawn Mendes(ショーン・メンデス)さんとCamila Cabello(カミラ・カベロ)さんの歌う「Señorita」は2019年にヒットしました。

 

 TOP50(フランスのオリコン的ヒットチャート)のランキングによると、2019年7月中旬から11月初めにかけてトップテン入りするヒットとなっています。

 

 7月末から9月初めにかけて6週間首位を獲得しています。

 

 

 


Shawn Mendes, Camila Cabello - Señorita

注)Shawn Mendes 公式アーティストチャンネルの動画

 

 

 

その頃、日本では…

 オリコンランキングの週間チャートは週替わりでランキングが変化しています。もはやCD売上ランキングは流行した音楽を把握する事はできません…(>_<)。

 

 moraさんの音楽配信チャートでは、米津玄師さんの「馬と鹿」が3か月間首位となっています。他には、RADWIMPSさんの「愛にできることはまだあるかい」がヒットしています。

 

 

 

大陸を越えて支持されるラテン音楽

 「Señorita」はフランスに限らず、2019年に世界各国でヒットした作品です。

 

 歌詞は英語ですが、タイトルはスペイン語です。スペイン語圏ハバナ出身のカミラ・カベロさんのイメージが尊重されたのだと思われます。

 

 2017年にヒットした「Despacito」が、後のラテン音楽の流行に影響を与えたと推測されます。カミラカベロさんは、翌2018年に「Havana」がヒットしています。

 

 私は「Havana」のヒットで、ラテン音楽の世界的な流行が収まるのかな?と思っていましたが、「Señorita」がヒットしたので気になりました…(^^;A。

 

 「Despacito」には及びませんが、YouTubeの再生回数はおよそ10億7千回を超える人気を集めています(2020年7月現在)。

 

<「Señorita」各国でのヒットの記録>

最高順位 週数
ブルガリア 1位 18
ポルトガル 1位 14
オランダ 1位 12
アイルランド 1位 9
ニュージーランド 1位 9
オーストリア 1位 7
デンマーク 1位 7
カナダ

1位

7
イギリス 1位 6
ドイツ 1位 6
フィンランド 1位 6
フランス 1位 6
ノルウェー 1位 5
スイス 1位 5
スウェーデン 1位 5
アメリカ 1位 1
オーストラリア 1位 1
ベルギー 2位 8

※参考サイト:SNEPランキング(https://acharts.co/song/122858

 

 

 

第一印象が良いラテンサウンド

 初めて曲を聴いたときに「良い曲!」と感激して、何度も繰り返し聴いてしまうタイプの作品があります。

 

 音楽理論で理屈があるのだと思われますが、ラテン音楽と総称されるスペイン語圏で誕生した音楽には、この傾向が強いと感じます。

 

 おそらく、意識して作品を聴かなくても曲が描く世界観を想像できる、"分かりやすさ"を備えているからだと思います。

 

 こういった作品は、楽譜を手に入れて試しに一人で弾いてみても、味気なさを覚える事が多いです(私の演奏技術が低いだけの話かも知れません…(@@;)。

 

 海外の作品を聴いて感じるのは、メロディがシンプルな分、それを補う雰囲気作りに力が注がれている作品が多い事です。

 

 

 

最近の洋楽ヒット曲を聴いて思う事

 流行る曲と流行らない曲が存在する事について、普段から無い頭で色々と考えています(>_<)。

 

 個人的な感想ですが、最近の海外でヒットした作品を調べて聴いていると、昔の日本のヒット曲を聴いた時のような、"意識して聴かなくても、自然と耳に入って来る作品"が多いように感じます。

 

 また、1つの作品が何週間も首位を獲得するようなヒットチャートを見て、「昔の日本のヒットチャートみたいだな~」と、うらやましく思ったりもしています…(^^;A。

 

 私はオリコンチャートよりも流行を反映している、音楽配信チャートに色々と期待を寄せています(^^)/。

 

 

 

楽曲分析

 「バンドプロデューサー5」の分析では、「Señorita」 はAm(イ短調)です。

 

 楽譜を手に入れる事が出来ませんでしたので、用いられている音階は分かりません。ただ、曲を聴いていて”覚えやすさ”が気になります。

 

 同じ繰り返しが多いからかも知れませんが、歌唱にはそれほど起伏が無く、おそらく音域がそれほど広く無いのかな?と思います。

 

 また、ドレミファソラシドのいずれかの音を省いたり、#や♭を用いないシンプルな音階で作られているように感じます。

 

 

参考資料

 TOP50(http://www.chartsinfrance.net/

 「you大樹」オリコン

 「バンドプロデューサー5」

「黄金の腕を持った男」リチャード・マルトビー楽団(昭和31年)

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流行時期(いつ流行った?)

 リチャード・マルトビー楽団(Richard Maltby and his Orch.)さんの「黄金の腕を持った男」は、昭和31年(1956年)にヒットしました。

 

 同年5月末に公開された『黄金の腕』の主題曲ですが、競作のように、いくつかの楽団が吹き込んだ盤が各社で発売され、同時期にヒットチャートに登場しています。

 

 『ダンスと音楽』に掲載されているSPレコードの「トップ・レコード順位」のランキング推移は下記の通りです。

 

 最も支持を集めたのは、リチャード・マルトビー楽団さんの盤になります。各社の盤がランクインした1956年7月が、最もヒットしていた時期と推測されます。

 

年月 リチャード・マルトビー盤 エルマー・バーンスティン盤 ビリー・メイ盤
昭和31年05月 4位 - -
昭和31年06月 1位 10位 -
昭和31年07月 1位 10位 20位
昭和31年08月 1位 10位 -
昭和31年09月 4位 - -
昭和31年10月 11位 - -
昭和31年11月 19位 - -

 

  3か月連続で首位を獲得しているため、当時かなり人気を集めた作品と思われます。

 

 『洋楽シングルカタログ』によると、EP盤が発売されたのは、ヒットから3年後の1959年10月です。

 

 

 


Richard Maltby Theme From The Man With The Golden Arm 1956

注)YouTube に使用を許可しているライセンス所持者 WMG, PIAS, UMG(Ace Records の代理); UNIAO BRASILEIRA DE EDITORAS DE MUSICA - UBEM, SOLAR Music Rights Management, LatinAutor - SonyATV, BMG Rights Management (US), LLC, Warner Chappell, Audiam (Publishing), LatinAutor - UMPG, LatinAutor, EMI Music Publishing, LatinAutor - Warner Chappell, UMPG Publishing, BMI - Broadcast Music Inc.、その他 9 件の楽曲著作権管理団体

 

 

 

主人公の心理をジャズで表現した主題曲

 映画のオープニングからこのテーマ曲が流れて来ます。劇中にも何度か登場しますが、主人公の心のうちを演出する目的で用いられた音楽のようです。

 

 "テーマ曲を映画の様々な場面で繰り返す演出"は、昔の洋画で頻繁に登場しているように思います。

 

 ほとんどのテーマ曲はオーケストラの演奏です。そして、ムードを感じる音楽、イージーリスニングと呼ばれるジャンルに近いの作品がほとんどです。

 

 『黄金の腕』は、雰囲気作りのテーマ曲に、リズム感のあるジャズを採用した事が、当時としては斬新な試みだったようです。

 

 主人公が誘惑に負けてしまうシーンでもテーマ曲が流れ始めます。

 

 

サウンドトラック盤よりも人気が集まった盤

 "ある作品が、複数のレコード会社から発売される現象"は、この年代でよく見かけます。

 

 これは「黄金の腕」にも当てはまります。最も支持を集めたリチャード・マルトビー楽団さんの盤ですが、映画で用いられた音源はエルマー・バーンスティン楽団さんの演奏です。

 

 作品を作曲されたエルマー・バーンスティンさんの楽団が、本命盤となり最も人気が集まるはずですが、なぜか日本ではそれほど支持を集めておりません。

 

 日本で最も支持されたリチャード・マルトビー楽団さんの演奏には、「黄金の腕」と”タイトル不明のヒロインのテーマ曲”の2曲が収録されています。

 

 2つの作品が突然入れ替わるのではなく、『黄金の腕』の主題が徐々にヒロインのテーマ曲の要素を帯びていく編曲で表現されています。

 

 エルマー・バーンスティン楽団さんの『黄金の腕(メイン・テーマ)』だけでも充分聴きごたえはありますが、リチャード・マルトビー楽団さんの演奏は雰囲気の異なる2つの曲を融合させているためか、聴きやすさを備えています。

 

 曲が変化していく導入部分は聴いていて面白いと感じます。本命盤よりも支持を集めたのは、ジャズのみで完結せずに、イージーリスニングの要素も含んだバランスの良さが理由なのかな?と考えてしまいます。

 

 

楽曲分析

 「黄金の腕を持った男」は変ロ短調(B♭マイナー)です。途中のテーマが変わる部分は楽譜が無いので明確に分かりませんが、並行調のD♭に転調している印象を受けます。

 

 ジャズは映画音楽からヒットする事が多いように感じます。1960年代にも何曲かヒットしていますが、1950年代の方が、ジャズにおけるドラムの存在感が大きく感じます。

 

 

曲情報(EP盤)

 発売元:日本ビクター株式会社

 品番:SS-1167

 

 A面

  「黄金の腕を持った男」

  原題:THEME FROM THE MAN WITH THE GOLDEN ARM

  演奏:リチャード・マルトビー楽団

  演奏時間:2分29秒

 

 

 B面

  「恋する乙女」

  原題:A WOMAN IN LOVE

  唄:ボブ・キャロル

  演奏時間:2分23秒 

 

 

 

参考資料

 「黄金の腕を持った男」レコードジャケット

 「黄金の腕(メイン・タイトル)」レコードジャケット

 『ダンスと音楽』モダン・ダンス社

 『洋楽シングルカタログ RCA編』オールデイーズ

 『映画音楽百選』ケイ・エム・ピー

 「バンドプロデューサー5」

 allcinema『黄金の腕』(Webサイト)

「月光のセレナーデ」グレン・ミラー楽団(昭和29年)

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流行時期(いつ流行った?)

 グレン・ミラー楽団さんの「月光のセレナーデ」は、昭和29年(1954年)にヒットしました。

 現在では、「ムーンライト・セレナーデ」のタイトルで広く知られているように思います。

 

 『ダンスと音楽』に掲載されているSPレコードの「トップ・レコード順位」のランキング推移は下記の通りです。

 

年月 順位
昭和29年01月 3位
昭和29年02月 6位
昭和29年03月 6位
昭和29年04月 5位
昭和29年05月 6位
昭和29年06月 7位
昭和29年07月 7位
昭和29年08月 8位
昭和29年09月 19位

注1)当時、LM-4とA-1020の2種類の品番で発売されていますが、4月のランキングは別々に集計されています。A-1020が16位にランクインしています。

注2)7月の順位は、翌月号の「先月順位」を参考にしています。

 

 

 


"MOONLIGHT SERENADE" BY GLENN MILLER

 

 新曲が次々と製作されては消費され続けるレコード音楽ですが、時代を越えて聴き継がれるスタンダード・ナンバーとなる作品は興味深い存在です。

 

 「月光のセレナーデ」も、そのうちの1曲と思います。

 

 

初めてEPレコードが発売された1954年

 1954年は、日本で初めて電気式蓄音器で再生するEP盤が発売された年です。日本ビクターさんが4月に発売した5枚(EP-1001~EP-1005)が第1号と語られています。

 

 上記のランキングはSP盤の集計ですが、「月光のセレナーデ」は初のEPの1つにも収録されています。

 

 ちなみにビクターさんの5枚のシングルは、『洋楽シングルカタログ』では5月発売と書かれており、日本コロムビアさんの「アンディサイデッド」が3月発売となっています…(>_<)。

 

 EPレコードを発売したのはビクターさんが初である、という明確な根拠が見つけられませんが、どちらが先にせよ1954年の春ごろにEP盤が発売され始めたようです。

 

 初期のEPレコードですが、グレン・ミラーさんの品番は現在でも見つけやすいです。記録が残っていませんが、当時売れていたのかな?と感じます。

 

 

グレン・ミラー旋風の1954年

 アメリカで「月光のセレナーデ」がヒットしたのは15年前の1939年です。

 

 第二次世界大戦中に搭乗した機体ごと消息不明になったグレン・ミラーさんの人生を描いた映画『グレン・ミラー物語』が公開された事が、1954年の日本での大ヒットのきっかけのようです。

 

 「月光のセレナーデ」は劇中だけではなく映画のオープニングにも流れてきます。グレン・ミラー楽団さんの初ヒットとなるため代表曲として扱われているようです。

 

 グレン・ミラーさんのブームが巻き起こっている時期にEPレコードが製造されていたためか、ビクターさんは、EP5枚のうち2枚(EP-1004とEP-1005)をグレン・ミラーさんの作品で発売しています。

 

 映画に登場した数々の作品が2枚に収録されています。売上ランキングでは「真珠の首飾り」もかなりの人気を集めていますが、「月光のセレナーデ」とは別のレコードに収録しています。商売上手なビクターさん…と感じます(^^;A。

 

 

楽曲分析

 「月光のセレナーデ」は変ホ長調(E♭メジャー)です。

 

 グレン・ミラー楽団さんの演奏による”サウンド”は映画のテーマとなっていますが、楽器の編成で曲の印象が変わる事が分かりやすく描かれています。

 今聴くと「昔の楽団はこういう感じの演奏をしていたんだ。」と捉えてしまいますが、当時としては異色だった事も映画で説明されています。

 

 「月光のセレナーデ」は、ジャンルとしてはスウィングに該当するようです。テンポがゆったりとしていますがジャズの雰囲気があります。

 

 楽譜を見ても、普段のヒット曲では見かけないコード進行や音階が用いられています。今の私は音楽知識が無いので分析は出来ませんが、いつか説明できるようになれればと思います(^^)/。

 

 

曲情報

 発売元:日本ビクター株式会社

 品番:EP-1004

 

 A面

  「月光のセレナーデ」

  原題:MOONLIGHT SERENADE

  「アメリカン・パトロール」

  原題:AMERICAN PATROL

 

 B面

  「ペンシルヴァニア6-5000」

  原題:PENNSYLVANIA SIX-FIVE THOUSAND

  「イン・ザ・ムード」

  原題:IN THE MOOD

 

 

注:片面に2曲収録されています。初期のEPレコードは再生時間がSPレコードに比べて長いという特徴があり、両面で計4曲が収録されているのが一般的です。のちのコンパクト盤みたいな感じです。

 

 

参考資料

 「グレン・ミラー・アルバム第一輯」レコードジャケット

 「グレン・ミラー・アルバム第二輯」レコードジャケット

 『ダンスと音楽』モダン・ダンス社

 『洋楽シングルカタログ RCA編』オールデイーズ

 『洋楽シングルカタログ コロンビア編』オールデイーズ

 『永遠のポップス』全音楽譜出版社

 「バンドプロデューサー5」

「テルスター」ザ・トルナドース(昭和38年)

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流行時期(いつ流行った?)

 ザ・トルナドース(THE TORNADOS)さんの「テルスター」は、昭和38年(1963年)にヒットしました。

 

 月刊ミュジック社発刊の『ミュージック・マンスリー』に掲載されている「今月のベスト・セラーズ」のランキング推移は下記の通りです。

 ベストテンに入ったのは4月のみですので、それほどヒットしなかったのかも知れません。

 

年月 順位
昭和38年03月 12位
昭和38年04月 4位
昭和38年05月 13位

 

 レコードには"ザ・トルナドース"と書かれていますが、後年では”ザ・トルネイドース”と表記されているような気がします。

 

 


The Tornados -Telstar - orig video

注)YouTube に使用を許可しているライセンス所持者 SME, Music Video Distributors, WMG(ACROBAT の代理); ASCAP, Abramus Digital, UNIAO BRASILEIRA DE EDITORAS DE MUSICA - UBEM, LatinAutor, UMPG Publishing, LatinAutor - Warner Chappell, LatinAutor - PeerMusic, BMG Rights Management (US), LLC, Sony ATV Publishing, CMRRA, UMPI、その他 12 件の楽曲著作権管理団体

 

 

宇宙時代をイメージした演奏曲

 「テルスター」は人工衛星の名称です。地理的に遠く離れた国のテレビに、同じ時間に同じ映像を送る技術を実現する目的で打ち上げられました。

 

 衛星中継はこの時期に話題となっていたようです。この作品がヒットした1963年には日米間での同時中継も実現しています。

 

 歌詞カードの解説には当時の雰囲気が感じられる説明が書かれています。

 

1962年のマス・コミュニケーションの最大の話題は何といってもアメリカの通信用人工衛星「テルスター」の打上げ成功だったでしょう。パリの放送局とニューヨークのそれとの電波を交互に受け取って、テルスターを中継して大西洋を越えての同時TV放送が実現したのですから、これは欧米各国にとっては、リンドバークの大西洋無着陸横断飛行以来の快挙であり、話題であった訳です。そのテルスター衛星に最初に乗った歌い手は、シャンソンのイヴ・モンタン、時々画面はゆれながらも、鮮やかに歌ってのけたのです。

 

  1960年代の宇宙に関する出来事では、アポロ月面着陸だけが語り継がれているように感じますが、有人宇宙飛行に続いて衛星中継と、科学技術の進歩を物語る出来事を次々と目の当たりに出来る時代だったのだと感じます。

 

 おそらく多くの人たちが、未来は明るいと感じていた時代と感じます。

 

 未知の世界の探求は人間の想像力をふくらませてくれます。この作品が製作されたきっかけも、 不可能と考えられていた事が実現されていく事が原動力だったと思われます。

 

 

音楽で表現される宇宙

 この作品が独特の音楽表現をしていると感じるのは、曲の始まりや終わりに聴こえて来る謎めいた効果音です。出だしのエフェクトは、人工衛星を搭載したロケットの発射のシーンを表現していると思います。

 

 演奏では電子オルガンがメインになっています。当時の演奏曲で人気だったサックスやトランペットといった、人間の息遣いを感じる吹奏楽器ではなく、押せば音のなる鍵盤をメインの楽器に選んだ点は興味深いです。

 

 エレキギターも用いられていますが、音を増幅させ、従来の楽器では出せない音色を表現できる電子楽器の響きは、信号のような無機質な響きを備えているためか、頭で描く宇宙空間のイメージに結び付きやすいです。

 

 エレキギターの演奏が始まるころは宇宙空間に到達しているイメージなのかな?と思います。

 

 曲の終わりに聴こえて来る効果音は、何をイメージしているのかよく分かりません(^^;A。この音はどうやって作り出したのでしょう?

 

 

楽曲分析

 バンドプロデューサー5の分析では、「テルスター」はAメジャー(イ長調)です。終盤にDメジャー(ニ長調)に転調しているような気がします。

 

 電子オルガンの響きが最も印象に残りますが、コーラスが吹き込まれている部分もあり、聴こえて来る音が変化していく様子も聴いていて面白さを感じます。

 

 この作品で面白いのは、1つのフレーズが終止するタイミングで、次のフレーズの演奏が始まっている点です。

 曲を聴いている側にはひと段落する間がなく、「演奏はどこまで続くのだろう?」という気持ちにさせてくれます。

 16ビートのリズムも、聴き手にスピード感を与えていると思います。

 

 途中でエレキギターも登場しており、翌年に登場するサーフィンサウンドに共通する要素を備えている作品と感じます。

 

 

 

曲情報

1963年 年間35位(洋楽)


 

レコード

 発売元:キングレコード株式会社

 品番:HIT(L)-23

 

 A面

  「テルスター」

  原題:TELSTAR

 

 

 B面

  「ジャングル・フィーヴァー」

  原題:JUNGLE FEVER

 

 

 

参考資料

 「テルスター」レコードジャケット

 『ミュージックマンスリー』月刊ミュジック社

 「バンドプロデューサー5」

「恋はスバヤク」ガス・バッカス(昭和39年)

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流行時期(いつ流行った?)

 ガス・バッカスさんの「恋はスバヤク」は、昭和39年(1964年)にヒットしました。

 

 月刊ミュジック社発刊の『ミュージック・マンスリー』に掲載されている「今月のベスト・セラーズ」によると、2月から6月にかけてヒットしています。

 順位の推移から、最も流行したのは4月と考えられます。

 

年月 順位
昭和39年02月 6位
昭和39年03月 3位
昭和39年04月 2位
昭和39年05月 3位
昭和39年06月 9位

 

 


Short on Love

注)ガス・バッカス - トピックの動画

 

 

ビートルズさんが登場した頃のヒット曲

 ビートルズさんがヒットチャートに初めて登場したのは1964年2月です。「恋はスバヤク」が初登場したのも同じ月です。

 

 売上枚数の記録が無い時代ですがランキングの推移で考えると、「恋はスバヤク」は、「プリーズ・プリーズ・ミー」「抱きしめたい」よりも流行っていたような印象を受けます。

 

 1960年代前半のアメリカン・ポップスの雰囲気を持つ「恋はスバヤク」が、ビートルズさんが登場したタイミングでも支持されていた事は興味深いです。

 

 聴いた後に残る印象は、軽快なアメリカン・ポップスです。これまでに様々な作品がヒットしましたが、「可愛いいベイビー」(1962)や「ミスター・ベースマン」(1963)と同じ、オールディーズのカテゴリに属する作品と感じます。

 

 

なぜか記憶に残る歌

 「恋はスバヤク」は、なぜか印象に残るタイプの作品です。自分から「もう一度聴きたいな!」と思う気持ちがそれほど湧きませんが、何かをしているときに不意に頭の中で再生されてしまう作品です。

 

 作曲技巧で何らかのテクニックが用いられていると思いますが、残念ながら楽譜は見つかりませんでした。

 

 楽譜は製作されていないかも知れません(>_<)。アメリカではヒットしなかった洋楽で、ドイツからやって来た作品のようで、意外と情報が少ないヒット曲です…(^^;A。

 

 歌詞は英語で、日本人にも聴き取りやすい発音で歌われていると感じます。歌詞カードのガス・バッカスさんの経歴紹介では”ドイツ語で歌を歌い続けました。”と書かれています。

 

 もしかすると作曲テクニック以前に、ガス・バッカスさんのドイツ語訛りの英語のイントネーションが、アメリカン・ポップスを聴き慣れた日本人に、「この曲、なんとなく気になるな~」という印象を与えているのでは?と考えたりします。

 

 

楽曲分析

 バンドプロデューサー5の分析では、「恋はスバヤク」はEマイナー(ホ短調)です。途中から半音上がって、Fマイナー(ヘ短調)に転調しています。

 

 楽譜が見つかりませんでしたので、用いられている音階は分かりません。耳に残るメロディなので、とても気になります。

 

 短音階の作品ですが、聴いた印象では、長調の明るさを備えているように感じます。おそらくコード進行にも何か秘密があるのではないか?と考えています。

 

 裏拍を用いて聴いていて軽快な印象を受ける作品です。転調してからは、たたみかけるように歌う箇所があったり、途中で笑ったりと、遊び心を感じる演出も印象に残ります。

 

 

曲情報

1964年 年間7位(洋楽)

 

 

レコード

 発売元:日本グラモフォン株式会社

 品番:DP-1329

 

 A面

  「恋はスバヤク」

  原題:SHORT ON LOVE

  演奏時間:2分21秒

 

 B面

  「恋のホールド・アップ」

  原題:BIG WILLIE BROKE JAIL TONIGHT

  演奏時間:1分59秒

 

 

参考資料

 「恋はスバヤク」 レコードジャケット

 『ミュージックマンスリー』月刊ミュジック社

 「バンドプロデューサー5」

「太陽の彼方に」アストロノウツ(昭和39年)

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流行時期(いつ流行った?)

 アストロノウツ(The Astronauts)さんの「太陽の彼方に(原題:Movin')」は、昭和39年(1964年)にヒットしました。

 

 月刊ミュジック社発刊の『ミュージック・マンスリー』に掲載されている「今月のベスト・セラーズ」によると、5月から9月にかけてヒットしています。

 7月に首位を獲得していますので、最も流行したのは7月と考えられます。

年月 順位
昭和39年05月 5位
昭和39年06月 2位
昭和39年07月 1位
昭和39年08月 3位
昭和39年09月 5位
昭和39年10月 10位

 

 

同時期に流行った曲(昭和39年7月)

 邦楽盤では、三波春夫さんの「東京五輪音頭」が首位となっています。

 

 石原裕次郎さんの「俺はお前に弱いんだ」西田佐知子さんの「東京ブルース」も人気です。

 田辺靖雄さん、克美しげるさん、西郷輝彦さんと、若者に人気のある男性歌手の作品が多く、流行音楽を支える年齢層が若くなっていると感じるランキングです。

 

 洋楽では、マット・モンローさんの「ロシアより愛をこめて」ジリオラ・チンクェッティさんの「夢見る想い」エルヴィス・プレスリーさんの「ラスベガス万才」などがヒットしています。

 

 ビートルズさんが登場した年で、様々な盤がランキングに登場していますが、この時期は「プリーズ・ミスター・ポストマン」が人気を集めています。

 

 

 


太陽の彼方に/アストロノウツ

注)YouTube に使用を許可しているライセンス所持者 SME(RCA/Legacy の代理); UMPG Publishing, UMPI、その他 2 件の楽曲著作権管理団体

 

 

大ヒットしたエレキギター演奏曲

 「太陽の彼方に」はエレキギターの演奏のみの作品です。エレキ演奏曲、エレキインストと呼ばれるジャンルは、現在ではベンチャーズさんの活躍に結び付けられますが、日本に初上陸した1964年は、まだベンチャーズさんに人気は集まっていませんでした。

 

 この作品は他のエレキサウンドのヒット曲に比べて、音色にエコーがかかっているような、リバーブの加工がされているのが特徴です。

 

 エレキギターは電気で音を出す楽器なので、人工的に響きを変える事ができるようです。どういった技術を用いたのか分かりませんが、これまでの楽器では表現できない音色を再生できる事が特徴です。

 

 1970年代に登場するシンセサイザーと同じように、音楽表現に革命的な変化をもたらした楽器と思います。

 

 この作品がヒットしてから数年ほどはエレキインストの作品が多数登場しますが、音色に新鮮さが感じられた事がブームとなった要因かも知れません。

 

 

♪ノッテケノッテケの日本語詞

 出だしのメロディを聴くと、"ノッテケ×2"という歌詞を一緒に思い出される方がおられると思います。

 

 洋楽であれば日本語の歌詞を付けてカバーした盤が発売された時代で、「太陽の彼方に」は当時、藤本好一さんが日本語カバーした盤が発売されています。

 

 "ノッテケ"と歌唱されていますが、多くの人に知られる程のヒットはしていないと感じます。

 

 誰が歌った事で広まったのでしょうか。

 

 エレキギターの演奏で活躍された日本人というと、寺内タケシさんや加山雄三さんが思い浮かびますが、「太陽の彼方に」のカバー盤がヒットした記録はありません。

 お二方とも1965年から登場しますので、別の方と思われます。

 

 色々考えましたが、日本語詞は1970年代初頭に活躍されたゴールデン・ハーフさんの歌唱で広まったのではないか、と推測します。

 

 「ゴールデン・ハーフの太陽の彼方」が1972年に発売されています。オリコンの記録では7月下旬から8月初めにかけて、規模が小さいですがヒットしています。

 

 オリコンの記録ではゴールデン・ハーフさんにとって最大のヒット曲となっています。おそらくテレビ出演で歌唱した事で多くの人に広まったのではないかと考えます。

 

 

楽曲分析

 「太陽の彼方に」はEマイナー(ホ短調)です。

 

 

 印象的なフレーズは8小節で作られています。演奏時間は2分に満たないですが、音の高さを変え、7回繰り返されます。

 

 それだけの曲構成ですが、なぜかまた聴きたくなる作品、聴いていて楽しい作品です。

 

 

曲情報

1964年 年間3位(洋楽)

 

 

レコード

 発売元:日本ビクター株式会社

 品番:SS-1428

 

 A面

  「太陽の彼方に」

  原題:MOVIN'

  作曲:LEE HAZLEWOOD

  演奏時間:1分56秒

 

 B面

  「ベビー・レッツ・プレイ・ハウス」

  原題:BABY LET'S PLAY HOUSE

  作曲:GUNTER

  演奏時間:2分26秒

 

 

参考資料

 「太陽の彼方に」アストロノウツ盤 レコードジャケット

 「太陽の彼方に」藤本好一盤 レコードジャケット

 「ゴールデン・ハーフの太陽の彼方」レコードジャケット

 『ミュージックマンスリー』月刊ミュジック社

 「you大樹」オリコン

 「バンドプロデューサー5」

「サマー・ワイン」ナンシー・シナトラとリー・ヘイズルウッド(昭和42年)

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流行時期(いつ流行った?)

 ナンシー・シナトラさんとリー・ヘイズルウッドさんのデュエットソング「サマー・ワイン」は、昭和42年(1967年)の年末にかけてヒットしました。

 

 『レコードマンスリー』の月間売上ランキングによると、下記の売上推移を記録しています。

年月 順位
昭和42年10月 8位
昭和42年11月 9位
昭和42年12月 1位
昭和43年01月 17位

 

 年末に首位となっています。前後の順位を考えると、間違いではないか?と感じます…(^^;A。

 年明けの熱の冷め様が、まるで現在のヒットチャートのような下降線である事が気になります。

 1967年の年末には、この作品にまつわる特別な出来事があったのでしょうか。

 

 


NANCY SINATRA & LEE HAZLEWOOD-SUMMER WINE

注1)YouTube に使用を許可しているライセンス所持者The Orchard Music(Boots Enterprises, Inc. の代理); LatinAutor - UMPG, ASCAP, LatinAutor, UNIAO BRASILEIRA DE EDITORAS DE MUSICA - UBEM, UMPI, CMRRA, UMPG Publishing、その他 12 件の楽曲著作権管理団体

注2)動画は別作品のプロモーションビデオです。おそらく「ジャクソン」と思われます。

 

 

1967年のナンシー・シナトラさんの人気ぶり

 ヒットチャートを見ると、1967年はナンシー・シナトラさんの人気が高かった事が分かります。この年には「007は二度死ぬ」と「サマー・ワイン」がヒットしています。

 

 1963年の「レモンのキッス」以来の人気ぶりを感じますが、突然人気となった理由には、映画が関わっているようです。

 

 この年に公開された007シリーズの第5作目「007は二度死ぬ」の同名主題歌を歌われています。

 この映画は日本が舞台であり、スクリーンに映るロケ地も出演者も、日本人にとってはなじみ深い作品だったため、日本では特に人気が高かったと思われます。

 

 注目度の高い映画の主題歌を歌ったナンシー・シナトラさんへの人気も同時に高まり、主題歌に続いて発売された「サマー・ワイン」もヒットした、という印象を受けます。

 

 「サマー・ワイン」は、リー・ヘイズルウッドさんとのデュエットです。「007は二度死ぬ」のB面「ジャクソン」もお二人のデュエットですが、アメリカでは「サマー・ワイン」の方が先に発売されていたようです。

 

 レコード会社が人気に乗じて発売を企画したのかな?と感じます。

 

 ナンシー・シナトラさんは、「サマー・ワイン」の後にはあまり目立った記録が残っておりませんので、映画と同時に人気が落ち着いたような印象を受けます。

 期間は短いですが1967年の人気ぶりは、ブームに近かったのかな?と感じてしまいます。

 

 

オチのあるデュエットソング

 洋楽は歌詞の意味を調べる事は少ないですが、「サマー・ワイン」はストーリーが面白い作品と感じます。

 

 歌詞カードには和訳が掲載されていませんが、解説で以下のように紹介されています。

 

「いちごとりんごに天使のキッスを混ぜて作った私のサマー・ワインをどうぞ」と歌うのはナンシー。さそいにのってサマー・ワインを飲まされ、一口、二口・・・・・・めまいがして、ろれつがまわらなくなり、眠りこけてしまった鼻の下の長い男はヘイズルウッドという設定。目がさめてみたらありがね全部取られてドロンされたという男性にとってはぶっそうなお話です。

 

 日本のヒット曲では、歌詞で描かれる事はまずないであろう、やり取りが歌われています。

 登場人物の女性が男性を騙していますが、窃盗の手口がかなり具体的です…(^^;A。

 

 

楽曲分析

 「バンドプロデューサー5」の分析では、「サマー・ワイン」はAマイナー(イ短調)です。

 

 歌唱に用いられている音階は自然的短音階です。

 

 曲が進行するにつれて、だんだんと伴奏がにぎやかになって行く手法で編曲されています。この手法は1967年の作品に多くみられます。

 

 

曲情報

1967年 年間27位(洋楽・邦楽ポピュラー)

 

 

レコード

 発売元:日本ビクター株式会社

 レーベル:リプリーズ・レコード

 品番:JET-1781

 

 *ナンシーとリーヘイズルウッドのデュエット・ヒット2曲

 

 

 A面

  「サマー・ワイン」

  原題:SUMMER WINE

 

 

 B面

  「さすらいの男」

  原題:SAND

 

 

参考資料

 「サマー・ワイン」レコードジャケット

 「007は二度死ぬ」レコードジャケット

 『レコードマンスリー』月刊ミュジック社

 『永遠のポップス①』全音楽譜出版社

 「バンドプロデューサー5」

「太陽はひとりぼっち」コレット・テンピア楽団(昭和37年)

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流行時期(いつ流行った?)

 コレット・テンピア楽団さんの「太陽はひとりぼっち」は、昭和37年(1962年)にヒットしました。

 

 『ミュージックマンスリー』の月間売上ランキングによると、下記の売上推移を記録しています。

年月 順位
昭和37年09月 2位
昭和37年10月 1位
昭和37年11月 1位
昭和37年12月 2位
昭和38年01月 3位
昭和38年02月 1位
昭和38年03月 8位
昭和38年04月 11位
昭和38年06月 14位

 

 1962年9月に初登場2位を記録しています。その後、翌年の2月まで、半年間も1~3位にランクインし続けています。

 

 レコードの発売と同時に人気となった事に加えて、その人気が長期間衰えなかった事は珍しい流行り方をしていると感じます。

 

 かなりヒットした印象を受けますので、当時をご存知の方はどこかでこの作品を耳にされた事があるのではないか?と思います。

 

 英題は「L'Eclisse Twist」で、1962年に話題となったツイストを取り入れた作品です。

 

 コレット・テンピア楽団さんの演奏する動画は見つかりませんでしたので、映画のサウンドトラックの動画(ジョヴァンニ・フスコさんの演奏)を掲載しています。

 

 楽器の響きに違いはありますが、曲の雰囲気はほとんど同じと感じます。

 


Giovanni Fusco - L'Eclisse Twist (1962)

注)YouTube に使用を許可しているライセンス所持者 The Orchard Music(Carosello Records の代理); UNIAO BRASILEIRA DE EDITORAS DE MUSICA - UBEM, LatinAutor, Muserk Rights Management, SODRAC、その他 3 件の楽曲著作権管理団体

 

 

聴き手をとりこにするサウンド

 「太陽はひとりぼっち」は同名映画の主題曲です。アラン・ドロンさん主演の映画であるため、「太陽がいっぱい」(1960)を踏襲して邦題が付けられたのだと推測されます。

 

 映画の人気がどれくらいだったのかは分かりませんが、この主題曲が当時人気となったのは分かる気がします。1度聴くだけで記憶に残りますし、なぜか繰り返し聴きたくなるサウンドを備えているからです。

 

 歌詞カードでは、

 「現代人の孤独な魂に強烈な訴えを持ったツイスティング・ブルースです。」

 「現代の青春の孤独と願望、不安と焦燥をかきたてる強烈なツイスト風のブルース」

 と形容されています。

 

 カッコイイ表現をされていますが、"強烈さ"を感じさせる要素は"メロディがシンプルである事"が最大の理由であると感じます。

 

 出だしのフレーズは、♪ドー、シ、ラ、ソ、ファ、ミーと音階を順番に下っていくメロディになっています。

 

 「恋はみずいろ」(1967)と手法が似ているように思いますが、このメロディを聴くだけで、これから始まる作品の雰囲気が理解しやすくなっていると感じます。

 

 続くメロディも、特に凝っていると感じる箇所は無く、1度聴くだけですぐに頭に入って来ますし、何も考えず無意識に聴いていても曲の雰囲気を感じる事が出来ます。

 

 メロディが簡単な代わりに、演奏する方や編曲をする方の技術にかかっていると感じます。聴いた後はテナー・サックスの音色が印象に残りますが、きっと凄く上手い方が演奏しているのだろうと思います。

 

 楽団が演奏する作品では珍しく、テンポが速い作品です。おそらく大勢のオーケストラではなく、少人数のバンドで演奏していると思われます。

 

 所々で登場するエレキギターの音色も、1962年当時は新鮮さを感じる要素だったと感じます。

 

 

 

日本の楽団である事を隠して

 演奏している「コレット・テンピア楽団」さんは日本の楽団です。しかし、歌詞カードでは、ローマ字表記もして、まるで実在する海外のオーケストラのように印刷されています(下図)。

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 何かの書籍で読んだ事がありますが、日本語に直すとTempiaは"寺"、Colléttoは"岡"となり、正体不明の楽団は、ビクターに所属する寺岡真三さんが率いる楽団だったそうです。

 

 歌詞カードでは楽団に関する説明は無く、後年、「実は、日本人の楽団で演奏した作品なんです。」という打ち明け話をされたエピソードも聞いた事がありません。

 洋画の主題曲であるため、当時は違和感なく洋楽のヒット曲として認識されていた事と思います。

 

 

 「太陽がいっぱい」も、フィルム・シンフォニック・オーケストラという楽団が演奏していますが、こちらも日本人の楽団です。

 

 覆面歌手?という事になりますが、戦後、日本はフランスと著作権で争っていたらしく、どうも輸入か販売かが禁止されていた楽曲があるようです。

 

 そういった取決めが緩和された時期に、"演奏しなおした盤なら日本で発売しても問題はない"という解釈ができる、という背景があったようです(>_<)。

 

 現在、コレット・テンピア楽団さんの演奏する音源がYouTubeに上がっていても、ビクターさんがライセンス使用を主張していません。

 

 もしかして、当時の著作権の解釈が要因で主張できないのかな?とつい考えてしまいます…(^^;A。

 

 

楽曲分析

 「バンドプロデューサー5」の分析では、「太陽はひとりぼっち」はA♯マイナー(嬰イ短調)です。

 

 用いられている音階は自然的短音階で、途中に旋律的短音階になっている箇所があるように思います。

 

 

曲情報

1962年 年間 10位、1963年 年間12位(洋楽)

 

 

レコード

 発売元:日本ビクター株式会社

 品番:SS-1304

 

 胸を突き刺すようなブルース!現代の愛をえぐる鮮烈の最高傑作!!

 

 '62年カンヌ映画祭 審査員特別賞受賞

 フランス・パリ・フィルム大作 日本ヘラルド映画提供

 

 A面

  「太陽はひとりぼっち」

  原題:L'ECLIPSE

  演奏時間:2分54秒 

 

 

 B面

  「ほがらかに鐘は鳴る」

  原題:WENN DIE GLOCKEN HELL ERKLINGEN

  演奏時間:2分59秒

 

 

参考資料

 「太陽はひとりぼっち」レコードジャケット

 『ミュージックマンスリー』月刊ミュジック社

 『映画音楽百選』ケイ・エム・ピー

 「バンドプロデューサー5」

「スピーディー・ゴンザレス」パット・ブーン(昭和37年)

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流行時期(いつ流行った?)

 パット・ブーンさんの「スピーディー・ゴンザレス」は、昭和37年(1962年)にヒットしました。

 

 『ミュージックマンスリー』の月間売上ランキングによると、下記の売上推移を記録しています。

年月 順位
昭和37年09月 11位
昭和37年10月 2位
昭和37年11月 4位
昭和37年12月 4位
昭和38年01月 15位
昭和38年02月 7位

参考)『ミュージックマンスリー』洋楽の月間売上ランキング

 

 

注)YouTube に使用を許可しているライセンス所持者 The Orchard Music, UMG(Pocket Watch Records の代理); ASCAP, LatinAutor - SonyATV, LatinAutor - Warner Chappell, UNIAO BRASILEIRA DE EDITORAS DE MUSICA - UBEM, SOLAR Music Rights Management, Audiam (Publishing), PEDL, LatinAutor, Sony ATV Publishing, CMRRA、その他 23 件の楽曲著作権管理団体

 

 

パット・ブーンさんの異色作

 歌詞カードの解説に書かれていますが、パット・ブーンさんはバラードを歌われる方で、「スピーディー・ゴンザレス」のようなテンポの良い作品はあまり吹き込んでおられません。

 

 日本では1957年に人気となった方で、久しぶりに大きなヒットを記録した作品で、新たな支持を集めたと思われます。

 

 しかしこの作品は、パット・ブーンさんよりも、歌にも登場する"スピーディー・ゴンザレス"が主役の作品と感じます。

 

 解説には書かれていませんが、ワーナー・ブラザーズが製作した短編アニメのキャラクター(下図)の名前です。

 

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スピーディー・ゴンザレス(https://free-designer.netより)

 

 このシリーズのキャラクターと言えば、バックスバニーやダフィーダックが有名です。

 他にも、シルベスターとトゥイーティーのコンビや、ロードランナーとコヨーテのコンビが有名で、このキャラクターはあまり作品で見かけた記憶がありません。

 

 これらのキャラクターたちが、いつから日本で人気を獲得したのかもよく分かりませんが、1962年当時はあまり有名では無かったのかも知れません。

 

 「スピーディー・ゴンザレス」は、伊藤アイ子さんが日本語でカバーしています。しかし、歌詞では"拳銃の早撃ちが自慢"と歌われています。実際は拳銃を持っておらず、おそらく西部劇に登場するガンマンをイメージした歌詞に書き換えたのだと思われます。

 

 

スピーディー・ゴンザレスは何をしゃべっている?

 この作品がヒットした理由は、スピーディー・ゴンザレスの声が吹き込まれているからだと思います。

 

 冒頭や間奏の♪ラララ~や間奏の直前で語られるセリフ等が印象に残ります。何気なく聴いていても、キャラクターの存在を知らなくても「ん?今の何?」と思ってしまいます。

 

 地声なのかテープの早回しで作り出した音声なのかは分かりませんが、音が高くて早口が特徴です。

 

 セリフの意味が気になりますが、歌詞カードには和訳が掲載されていません。調べてみましたが、口語の翻訳は難しいです。間違っていたらスミマセン。

 

 最初のセリフは、

 「ヘイ、ロジータ(解説によると"メキシコ娘"の名前)。私はダウンタウンに買い物に行きます。トルティーヤとチリペッパーが必要なんです。」といった内容で、

 次は、

 「ヘイ、ロジータ。早くカンティーナ(酒場)に降りて来て。テキーラを頼むとグリーンスタンプ(買い物時のポイント?)ももらえるんです。」といった内容です。

 

 おそらく歌の世界とは無関係な事を話していると思います。

 

 「月夜のメキシコを歩いていたら、ロジータが泣いている声が聞こえて来た」というセリフ、パット・ブーンさんの持ち味であるロマンチックな雰囲気で歌が始まります。

 

 しかし、すぐにこのアニメのキャラクターが登場して、空気も読まずに場の雰囲気を壊して、はしゃいでいる様子を想像します。

 

 

楽曲分析

 バンドプロデューサー5の分析では、「スピーディー・ゴンザレス」はBメジャー(ロ長調)です。

 楽譜が無いため用いられている音階は分かりません。

 

 解説には「ツイストのリズムで唄われます。」と書かれていますが、どこがツイストなのかはよく分かりません…(^^;A。

 

 スピーディー・ゴンザレスが♪ラララと歌う部分は、つい、エルトン・ジョンさんの「クロコダイル・ロック」を連想してしまいます。

 

 

曲情報

1962年 年間 12位(洋楽)

 

 

レコード

 発売元:日本ビクター株式会社

 品番:JET-1134

 

 パット・ブーンが歌う魅力のラテン調ニュー・ヒット!

 

 A面

  「スピーディー・ゴンザレス」

  原題:SPEEDY GOZALES

  演奏時間:2分30秒 

 

 

 B面

  「愛のロケット」

  原題:THE LOCKET

  演奏時間:2分8秒

 

 

参考資料

 「スピーディ・ゴンザレス」レコードジャケット

 「さいはての慕情」伊藤アイ子盤 レコードジャケット

 『ミュージックマンスリー』月刊ミュジック社

 「バンドプロデューサー5」